専門性を高めること、またその為にどんな研究室を選ぶかは、理系人材の将来のキャリア形成にとても重要です。
東京工業大学大学院にはさまざまな研究テーマを掲げる研究室が存在します。
そこで今回は東京工業大学大学院の機械系研究室を10選紹介します。
東京工業大学大学院で機械系研究室への進学を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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東京工業大学大学院機械系の特徴
東京工業大学大学院の機械系では、工業力学や材料力学などの必修科目はもちろん、ロボットや精密工学、機械設計など幅広い領域を研究対象としています。
機械系では学問領域によって以下5つのコースに分かれています。
- ・機械コース
- ・エネルギーコース
- ・エンジニアリングデザインコース
- ・ライフエンジニアリングコース
- ・原子核工学コース
それぞれのコースで所属する研究室も異なるため、希望する学習領域にあったコースを選んだ方が良いでしょう。
東京工業大学大学院の機械系研究室10選
東京工業大学大学院の機械系研究室の中から以下の10選を紹介します。
- ・只野研究室
- ・高山研究室
- ・高原・中野研究室
- ・山浦研究室
- ・井上研究室
- ・野崎研究室
- ・井上・坂口研究室
- ・小林・松浦研究室
- ・田中智久研究室
- ・西迫研究室
上記以外にも気になる研究室があればぜひチェックしておきましょう。
※研究室は、2022年度のもので変更になる場合があります。
只野研究室
只野研究室は、ロボット工学や制御工学を活用し、手術支援ロボットシステムや人間機械システムなどに関する研究を行う研究室です。
具体的には以下の研究テーマに取り組んでいます。
- ・力覚提示機能を有する腹腔鏡手術用ロボットシステム
- ・空気圧駆動ロボットアームを用いた腹腔鏡操作システム
- ・眼内内視鏡保持ロボットシステム
- ・腹腔鏡手術用ハンド型空気圧駆動マニピュレータ
- ・腹腔鏡画像を用いた手術ロボットの誘導制御
- ・形成外科用微細手術支援ロボットシステム
- ・遠隔操作システムの力覚感度指標に関する研究
- ・空気圧サーボシステムに関する研究
- ・手術ロボットシステム用ハプティックインターフェースの開発
- ・水蒸気噴流を用いた生体凝固デバイスの開発
- ・弾性チューブを用いた空気圧サーボバルブの開発
特に医療用ロボットに関する研究を重点的に取り組んでおり、医療分野でのロボット技術に興味のある方におすすめの研究室です。
只野研究室URL:http://www.k-k.pi.titech.ac.jp/
高山研究室
高山研究室では移動用ロボットやロボットハンドを中心に装置開発を行っている研究室です。
具体的な研究テーマとしては以下が挙げられます。
- ・腹腔内組立式タバコ縫合器
- ・LED CTを用いた細胞培養槽内CO2濃度3次元観察装置
- ・高速高把持力省エネルギーロボットハンド
- ・大把持力が得られる直動機構
- ・干渉駆動を用いた変速装置
- ・多重チューブ推進機構
- ・編みチューブ式アクチュエータ
- ・マイクロミキサ
- ・赤血球変形能2方向同時観察装置
医療機器等に使われる機構を中心に開発しており、医療分野での機械開発に興味がある方にはおすすめの研究室と言えるでしょう。
高山研究室URL:http://www.takayamalab.mech.e.titech.ac.jp/
高原・中野研究室
高原・中野研究室は解析力学や振動解析学などの分野を専門とする研究室です。
具体的には以下の研究テーマを取り扱っています。
- ・容器内液面の非線形振動
- ・ミスチューンを有する翼・ディスク系の振動特性
- ・エンドミル加工時に発生するびびり振動の抑制対策
- ・ディスクブレーキの鳴き抑制対策
- ・回転切削器具の振動モニタリングによる口腔外科手術支援
自動車ブレーキのノイズ対策を研究として取り組んでいるのが特徴で、自動車業界を目指す方にとっては面白い研究室と言えるでしょう。
高原・中野研究室URL:http://www.vib.mes.titech.ac.jp/ja/index.html
山浦研究室
山浦研究室は動的システムの運動分析や制御技術、マルチフィジックスを専門としている研究室です。
具体的な研究テーマとしては以下が挙げられます。
- ・旋回クレーンの動的モデルの構築と制振駆動制御
- ・パラレルリンクロボットの動的モデルの構築と制振駆動制御
- ・土木機械の作業モデルに基づく積荷量制御に関する研究
- ・マルチボディダイナミクスにおける柔軟要素要素モデルの定式化と数値計算法(非線形有限要素法)
- ・多自由度剛体系の高効率計算法とパラメータ同定法
- ・土砂と機械の相互作用を考慮した土木機械の運動解析と作業モデルの構築
- ・拘束系の力学を応用した移動境界を持つ系の定式化と数値計算法
- ・自動車のブレーキ鳴きの判定法に関する研究
建築系機器に対する制御システムの研究を中心としており、この分野に興味がある方にはおすすめの研究室と言えるでしょう。
山浦研究室URL:http://www.dycon.mech.e.titech.ac.jp/index.html
井上研究室
井上研究室は熱エネルギー分野を専門としている研究室です。
具体的には以下の研究テーマを掲げています。
- ・液体水素貯蔵タンク用断熱構造の開発
- ・モーター回転子の冷却デバイスの開発
- ・GAPSプロジェクト(JAXA)用冷却システムの開発
- ・人工衛星の温度制御用の熱輸送デバイスの開発
さまざまな分野の熱エネルギーを利用したシステムやデバイスの開発を研究しており、熱エネルギーに興味のある方には面白い研究室と言えるでしょう。
井上研究室URL:http://www.netsu.mech.e.titech.ac.jp/index-j.html
野崎研究室
野崎研究室では、熱光学や反応工学を基礎としてエネルギーや環境に関する研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・プラズマと材料科学
- ・非平衡プラズマの触媒作用と新規触媒プロセス
- ・非熱反応プロセス
- ・次世代の高効率・クリーン発電システム
- ・シリコンインクと次世代太陽電池の早期実現
化石燃料の枯渇などの問題を解決できる水素発電システムの研究を行っており、クリーンエネルギーの分野に興味がある方にはおすすめの研究室です。
野崎研究室URL:http://www.energy-lab.mech.e.titech.ac.jp/index.html
井上・坂口研究室
井上・坂口研究室では、自動車や航空機、発電プラントに使われる材料の変形・破壊に関する研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・弾塑性力学や破壊力学、材料強度学など材料力学
- ・赤外線を用いた応力測定や超音波を用いた欠陥検出などの計測技術
- ・材料の変形・破壊プロセスの基礎学理
さまざまな構造物に使われる材料に関して研究しており、材料メーカーへの就職を希望している学生には専門的な知見を深められるでしょう。
井上・坂口研究室URL:http://www.ichizai.mep.titech.ac.jp/index.html
小林・松浦研究室
小林・松浦研究室は2020年4月に発足した新しい研究室であり、機械装置の開発・設計に関して研究しています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・歯車要素の解析・設計・製造に関する技術開発
- ・革新的機械要素を核としたロボットシステム
- ・社会の強靭化に寄与する機械・ロボットシステム
自動車やロボット向けの技術を多く研究しているため、自動車・ロボット関連の技術に興味のある方にはおすすめの研究室です。
田中智久研究室
田中智久研究室では生産加工技術や機械要素技術、設計解析技術に関する幅広い研究を行っています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- ・金属と樹脂とを複合した高剛性・高減衰なパッシブダンパ「P-DACS」の開発
- ・定力制御を可能としたボールバニシング工具の開発
- ・次世代のものづくりにおける自動工程設計システム
スマートフォンやコンピュータに使われる部品の微細化や高能率化に貢献する技術を研究しており、これら製品に興味がある方にはおすすめの研究室です。
田中智久研究室URL:http://www.chitose.mep.titech.ac.jp/
西迫研究室
西迫研究室では、微小サイズの空間における流体に関して研究しています。
具体的な研究テーマは以下の通りです。
- 微粒子分離マイクロ流路デバイス
- マイクロレンズ成型
- 人工脂質二分子膜
- マイクロ流路の並列化による生産スケールアップ
DNA分析装置や細部解析装置などバイオ分野における研究に注力しており、医療領域に興味のある方にはおすすめの研究室です。
西迫研究室URL:http://www.nis.first.iir.titech.ac.jp/
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これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
東京工業大学大学院の機械系研究室は幅広い分野における研究を進めており、研究室によって専門とするテーマもさまざまです。
東京工業大学大学院は多くの企業に研究開発職を輩出しており、就職の面においても有利に活動できる可能性があります。
今回紹介した以外にも数多くの研究室があるため、興味のある分野があれば該当する研究室をチェックしておきましょう。