こんにちは、理系就活情報局です。
今回は、自然言語処理について、活用されている場面から最新の研究まで徹底解説していきます。
自然言語処理とは
最初に自然言語処理とはどういう作業なのか、自然言語と人工言語について解説しながら説明していきましょう。
自然言語と人工言語
自然言語というのは、英語、日本語などの私たちが日常で使う言語のことを指します。
このように私たちが日常で使う言語というのは人と人がコミュニケーションをとるために発展してきたものであることから、自然言語と呼ばれるのです。
自然言語に対して、プログラミング言語、HTMLなどのWEBサイトに使われているマークアップ言語などの機械の発展と共に私たちが作り上げてきた言語のことを人工言語と呼びます。
自然言語と人工言語を踏まえた上で、自然言語処理というのは、私たち人間が使っている自然言語をコンピュータで処理、分析する技術のことを指すのです。
人間が使う言語は話者によって意味や含みが異なってくることから機械に分析するには高度な技術が求められてきます。
例えば、「赤い瞳の大きな少年」という言葉は、「大きな瞳を持つ少年」と「赤い瞳の、体の大きい少年」という主に2つの解釈に分けることができるでしょう。
一方で、コンピュータ言語においては解釈は1つしかないです。
自然言語処理に関わる出来事
自然言語を機械的に分析すると言ってもあまり具体的にイメージがつかないですよね。
わかりやすく日常から自然言語処理と関連している出来事を挙げると、機械翻訳、Amazon Alexaなどのスマートスピーカー、googleのニュートラル翻訳などが挙げられます。
自然言語処理の重要性
自然言語処理がどういうものかを理解したうえで、次にその重要性をさらに詳しく説明していきましょう。
目的
自然言語処理の主な目的は、多くの単語があり複雑である自然言語を分析することによる技術発展や更なる進化が挙げられます。
重要性
自然言語処理の重要性の1つとして挙げられるのが、日常生活を便利にしてくれることです。
Googleが2019年に言語理解のために革新的なモデルである「BERT」を導入、採用したことにより、検索エンジンにおいて長く複雑な検索でも理解できるようになったことが例として挙げられます。
例えば、ユーザーが検索エンジンにおいて病院を探す場合、「病院」などのキーワードではなく、「〇〇保険に効く近くの病院」などの具体的な検索をかけるとします。
ユーザーがこのように具体的な検索をかけることで保険会社などのサービスを売る側はユーザーの求めるものや意図を汲み取れ、ニーズにあったサービスなどをさらに高められるでしょう。
自然言語処理はこのようなことから、主にサービスを売る側にとって顧客を集める際などに重要になってきます。
日常で見られる自然言語の活用例
自然言語がどういうものなのかをもっとわかりやすくするために、日常で使われている自然言語の使用例を紹介していきたいと思います。
対話型AIチャット
対話型AIチャットは1番身近に実感できるものではないでしょうか。
対話型AIチャットに質問やキーワードや文を投げかける際に、最適な回答を作るために自然言語処理は行われています。
日本語は、主語が省略されやすい言語です。
そのため、チャットボットでは直前での会話から主語を読み取ることでその後のコミュニケーションを円滑に進めており、その過程で自然言語処理は役立っています。
音声認識AI
次の身近な活用例は、音声認識AIです。
音声認識では直接言語を入力しませんが、聞き取った音声をテキスト化する中で自然言語処理は行われます。
会議などで音声認識AIを取り入れれば、会議の議事録も自動で残せるでしょう。
AIが学習を重ねることで専門用語を汲み取れるようになるなど、幅広い活用が期待されています。
検索エンジン
自然言語の代表として挙げられる例が検索エンジンです。
自然言語処理に合わせてAI技術なども活用することで、保存されたドキュメントと自然文で検索された文で目的のドキュメントを検索して探せます。
ネガポジ判定
最後に挙げられる身近な例がネガポジ判定です。
ネガポジ判定とは、対象とする文章の含む意味がポジティブな意味合いを持つのか、ネガティブな意味合いを持つのかを自然言語処理を通して判断していくシステムです。
ネガティブ、ポジティブという判断をしていく中で、それぞれの度数が付与された辞書に様々な言葉が分別されて記録されています。
このような自然言語処理を通して行われるネガポジ判定を用いることで、SNSなどに載せられたコメントを分析し消費者の感情をコメントから汲み取りマーケティングなどに活かせるので。
自然言語処理における手法
自然言語処理において使用される手法を紹介していきたいと思います。
共起語解析
共起語とは、ある言葉と関連性が強い言葉が用いられることです。
例えば、「星座」という共起語には「占い」「性格」などが挙げられます。
主に用いられるのが、マーケティングで、web検索結果において自社の売り出すサービスなどをもっと顧客に売るには結果の上にくるようにしなければいけません。
そのためにもユーザーのニーズに応えていかなければなりませんよね。
ユーザーが検索エンジンにおいて共起語を入力する可能性は高く、中でも共起語を使用するとニーズに応えたコンテンツ作成に役立つでしょう。
トピックモデル
次に用いられる手法は文章のトピックを把握するためのトピックモデルです。
今までは潜在意味解析という手法が用いられていました。
潜在意味解析とはテキスト内の言葉の頻度や数からユーザーの求めているトピックを判断するというものです。
しかし、潜在意味解析では、人間にとってわかりやすいトピックに分類できないなどの問題がありました。
トピックモデルでは、テキストは複数の潜在的な確率分布的に生成されるとされています。
このように、従来の問題を解決しつつ、複数のトピックを含んでいるテキストも分類が用意になっています。
感情分析
最後にSNSやECサイトでのレビューレヴューで用いられる感情分析が挙げられます。
感情分析においては個人の単語を1つずつ見ていくことで文章全体の感情を解析していきます。
具体的には、「ポジティブ=加点」「ネガティブ=減点」とし、最後の合計点で文章を採点していきます。
まとめ
今回は自然言語処理について基礎情報から詳しく研究所まで紹介してきました。自然言語処理という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、蓋を開けると身近なあちらこちらに自然言語処理によって受けられる恩恵やサービスがありますよね。日本全国において多くの研究所で自然言語処理について学びが深められているため、キャリアの一つとして自然言語を学ぶ道などとして研究室も選んでみてはどうでしょうか。