はじめまして、理系就活情報局です。
今回は、「アクチュアリー就活って?」について解説していきます!

「アクチュアリーってどんな仕事?」「どんな人が向いてるの?」「どう対策したら良いの?」という学生もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、「アクチュアリーとは」から「向いてる人って?」、「なぜ難しいのか」、「必要な就活対策」まで、解説します!

アクチュアリーとは

そもそもアクチュアリーとは何なのでしょうか?

理系学生でも聞いたことのない学生もいるでしょう。
そんな人達のために、ここではどんな仕事内容なのか、またこの職種は資格試験に合格する必要がありますがどんな資格試験なのかについて解説していきます!

仕事内容

まずアクチュアリーという職種の仕事内容は、保険金や年金の計算をする仕事です。

損害が発生し、その保険料をいくら支払うかという計算を行い、支払額を決めるのが主な業務となります。

この計算では確率や統計などの数理学的手法を駆使して計算します。

このような職種が置かれているところとしては保険会社、官公庁、信託銀行、コンサル、会計監査法人があります。

保険料は喫煙者か非喫煙者かで掛け金が変わる場合や、自動車保険においても細かい料金設定がなされています。

過去のデータに基づいて料金設定、保険商品を出していくため、数学的な知識が求められる仕事です。

資格試験

保険会社や官公庁などでは、アクチュアリーが欠かせない存在だということがわかりました。また、消費者の信用にも繋がる大事な仕事です。

さらに高度な専門知識も求められるため、資格が必要となります。

公益社団法人日本アクチュアリー会には研究会員、準会員、正会員の3つがあります。

基礎科目となる1次試験には数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論の5科目があります。

この中で1科目以上合格すると研究会員に、5科目すべて合格すると準会員となります。

その後、2次試験では生保コース、損保コース、年金コースのうちいずれか1つを選択し、合格したらプロフェッショナリズム研修の受講が可能になります。

この研修を経たのち、正会員になることができます。

受験資格は短期大学を含む、大学を卒業した人及び、日本アクチュアリー会が同等の学力を有すると判断した人が受験できます。

この試験は年に1回しか行われません。

参考:日本アクチュアリー会、アクチュアリーになるには

向いてる人って?

ざっと仕事内容をみても難しそうだと感じると思います。

実際、2021年3月31日で正会員は1931人です。

正会員の人数は非常に少なくなっています。
その理由としては資格試験が難しい上に正会員になるには時間がかかるからです。

ではどのような人がこの職に向いているのでしょうか?
ここで詳しく解説していきます!

数学が得意で好き

先程の試験科目だけを見てもわかるように、高度な数理知識が求められます。

そもそも資格を取るだけでも時間がかかり、ずっと数学の勉強を続ける必要があります。そのため、数学が得意なうえに好きな人でないと続かないでしょう。

逆に数学は得意かつ好きで仕事に活かしていきたい学生はぜひ視野に入れてみてください。

学ぶことが好きで継続できる

そもそもの話になりますが、勉強が好きで継続できる人が向いている仕事と言って良いでしょう。

数学の知識だけでなく、生保や損保も絡めて勉強していかなければなりません。

合格するまでに年単位で時間がかかるため、学び続けられる人でないと続かないでしょう。

安定した職につきたい

保険や官公庁といったものは私たちの生活に欠かせないものといえます。

そのため、景気に左右されるのではなく、常に必要とされるものです。

アクチュアリーとして働くということは安定した職についているといえます。
年収をみてみても、一般的に900〜1200万となっているため、収入としてもかなり高い職種です。

この年収額で安定職であることはアクチュアリーの魅力の1つといえます。

なぜ難しいのか

正会員の人数や試験が1年に1回しか行われないこと、受験科目でも高度な知識を求められることからも取得が難しい資格だということはざっくりと感じたと思います。

ここではより具体的に、なぜ難しいといわれているのか解説していきます!

正会員になるまで平均8年

日本アクチュアリー会の受験に関するFAQにて、準会員は平均5年、正会員は平均8年かかると記載されています。

このように、正会員になるために、きちんとした資格を手に入れるには平均で8年かかるため、大学を卒業してからだと30代に入ります。

この間ずっと数学などの勉強を継続しなければならないため、難しいといえます。

合格率が低い

ではなぜ平均8年もかかるのでしょう?

それは合格率が低いからです。

参考:日本アクチュアリー会2020年度資格試験結果について

この資料からもわかるように、まず1次試験から合格率が低くなっています。
科目によってばらつきはあり、一番合格率の高い生保数理でも36.3%です。

この1次試験は全ての科目で合格しなければならないため、合格率のより低い数学、損保数理、年金数理にも合格する必要があります。

この試験は1年に1回しか開催されないため、勉強にかけた時間に対して合格するのがより難しいといえます。

さらに2次試験ではいずれかのコースに合格しなければいけません。
この資料を見てわかる通り全て合格率が20%を切っています。

1次試験よりも難しい試験内容でもあるため、より資格を得るための道のりが長いことがわかります。

企業数、募集人数が少ない

アクチュアリーとしての採用人数はとても少ないです。例としてアフラックを見てみましょう。

アフラック生命保険株式会社

こちらは入社してアクチュアリーの正会員を目指しながら数理業務をこなすのが仕事内容です。、募集人数は1〜5人(マイナビ2023アフラック生命保険株式会社「募集要項」より) とかなり少なくなっています。

それほど専門性の高い職種であるということです。

また、そもそもアクチュアリーという職種が存在する企業が少なくなっています。

先程もお伝えした通り、官公庁や生命保険、信託銀行に存在する職種です。

このように企業数、募集人数が少なく、入社することが困難ということを踏まえるとアクチュアリーを目指すのは大変だということがわかります。

必要な就活対策

入社して数理業務をこなしながら正会員を目指すためにも、まずはアクチュアリー就活をしっかりとする必要があります。

特に必要な対策をここでは紹介していきます!

数理試験の対策

採用人数が少なく、また入社して業務をこなしながら正会員を目指すことからポテンシャル採用だということがわかります。

そのポテンシャルをはかるためにも、選考過程で数理試験が課せられることが多いです。

この数理試験を足切りとして使っている企業もあります。

つまり、数理の知識があることが大前提となるのです。就活対策はもちろん、将来正会員を目指すためにも、まずは数理試験の対策をしっかりと行っておきましょう。

面接対策

アクチュアリーの仕事内容から数理の知識が欠かせないことは分かりましたが、コミュニケーション能力も必要になってきます。

数理の専門知識がない人にもわかりやすく、また他の部署ともやり取りをする必要がある仕事です。そのため、コミュニケーション能力も欠かせません。

そのコミュニケーション能力を判断するのが面接になります。

選考を受ける企業のアクチュアリーコースでは過去にどのような質問があったのかを調べ、きちんと対策をしておきましょう。

まとめ

この記事では「アクチュアリー就活って?」について解説してきました。

重要なポイントをおさらいします。

・高度な数理知識が必要となる

・正会員になるには平均8年かかる

・数学が好きで得意、学び続けられる人に向いてる仕事

・数理試験対策、面接対策も怠らない