はじめまして、理系就活情報局です。
今回は、理系学生の企業の選び方について解説していきます。
これから就活を始める人も、もう始めている人も企業の選び方は気になる話題なのではないでしょうか。
そこで、この記事では、「理系学生に人気の業種」から「理系学生の企業選びのポイント」まで、解説します。
理系就活を優位に進めたい理系就活生は是非参考にしてみてください。
理系学生の進路と選択肢

理系学生にとって学部卒で就職をするか、院卒で就職をするかは一つの分岐点です。
選択する進路によって、身につくスキルや求められる素養などが変わるため、企業の選び方が大きく変わります。
どちらの進路を選ぶにせよ、企業の選び方で将来が変わるといっても過言ではありません。
学部卒の場合
学部卒のメリットとしては、大学院に進学せずに就職するメリットとして、早くにビジネスの経験を積めることが挙げられます。
例えば、大学でプログラミングを専攻していたとしましょう。社会の中で実戦として使うプログラミングと2年間大学院で自分で理解する止まりのプログラミングでは、実務経験としてはかなり差がでます。
そして、理系の学部卒で就職する場合には専門性よりもその人の潜在能力が選考で重視されます。そのため、大学の専攻分野と違うものにチャレンジしたいと思った時にも有効です。
学部卒のデメリットとしては、院卒を条件としている職種に応募できない点があげられます。専門性を活かした業種や研究職では応募条件を院卒見込み以上としているケースも多く、専門分野を活かした就職をしたい場合は大学院に進学した方が有利です。
大学院に進む場合
大学院に進学する際のメリットは、自分の専門分野の専門性をさらに高められる点です。大学院で培ったスキルで、研究職などの開発職に就職できる可能性も高まります。
そして、院卒の学生は研究室推薦を使って就活をすることも可能で、院時代のスキルを評価されて、初任給が高いケースも多いです。
大学院に進学するデメリットとしては、実務経験が学部卒の人よりも2年遅れることと、
学費がかかることが挙げられます。
応募できる企業などの将来の選択肢は広がりますが、時間とお金がかかってしまうことがデメリットです。
企業選びの基準10項目

インターンシップや本エントリーでいざ企業を選ぼうとすると、どのように選べばよいのかで悩む方は少なくありません。
本章では企業選びで悩む方に向けて、企業選びに使える10項目のチェック表を用意しました。
各項目を基に企業を精査すれば、より深掘りした企業の姿がみられるでしょう。
基準 | 確認ポイント |
事業内容 | 事業内容や事業数、各事業の割合をチェックする |
経営方針 | 企業のビジョンが自分の価値観と一致しているかをチェックする |
仕事内容 | 自分のやりたいことと仕事内容が一致しているかをチェックする |
規模・優位性・安定性 | 企業データや業界内での地位をチェックする |
社風 | 会社の方針や雰囲気が自分とマッチするかをチェックする |
待遇・福利厚生・働き方 | 年収や福利厚生、働き方が自分の希望に近いかをチェックする |
評価制度・キャリア | 評価制度やキャリアプランがどのようになっているかをチェックする |
勤務地・転勤 | 希望の勤務地で働けるのか、転勤はあるのかをチェックする |
社会貢献度 | 業務内容が社会にどれだけ貢献しているのかをチェックする |
成長性 | 成長期・成熟期・衰退期など業界構造を含めてチェックする |
理系学生に人気の業種って?

企業選びについて考えた時に、どんな業種が理系学生には人気なのでしょうか。
そのような企業選びの参考にもなる、理系学生に人気な業種についてまとめました。
メーカー
理系学生に人気な業種の1つ目は「メーカー」です。
メーカーの技術職や開発職では自分の専門分野がそのまま仕事に繋がる場合も多く、研究や開発に興味がある理系学生にメーカーはおすすめです。
そして、理系のメーカーは福利厚生がしっかりしていて、ホワイト企業が多いイメージがあることからも支持を受けています。
その上、大手メーカーは業績が安定しているため、将来を考えた時にも安定が望める大手メーカーは人気が高くなっています。
コンサル
理系学生に人気な業種の2つ目は、「コンサル」です。
コンサル業では論理的に物事を整理し、企業の課題を解決する点が理系の勉強と似ているため、理系学生から人気の業界となっています。
そして、コンサル業は激務な代わりに給料がいいことでも有名で、バリバリ働いてガッツリ稼ぎたい理系学生にもコンサル業はおすすめです。
インフラ
理系学生に人気の業種の3つ目は「インフラ」です。
インフラ業界が人気な理由としては、社会にとって無くなると生活できないものであるため必然的に安定した業界である点です。また、インフラ業界は待遇や福利厚生がいいことから理系学生の支持を集めています。
そして、社会にとって必要不可欠なものを支えているというやりがいを望めるのもインフラ業界の人気の理由の一つです。
理系学生の企業選びのポイント

理系学生が企業を選ぶ時に、心得ておきたい3つのことがあります。
そんな理系学生の企業選びのポイントについて解説していきます。
就活の軸
数ある企業から応募する企業を決めるには、企業選びの基準となる就活の軸が必要です。
たとえば、現在の研究に関連する仕事であること、国内外に転勤があることなどが理系学生によくある就活の軸になります。
さまざまな就活の軸があるなかで、何を就活の軸に設定するかは、個々人の価値観やキャリアプランによって異なっており、設定するのは簡単ではありません。
以下の質問は、就活の軸を考えるヒントになります。
- ・仕事を通して成し遂げたいことは何か?
- ・人生でやりがいを感じた瞬間はいつですか?
- ・将来的にどのようなライフスタイルにしたいのか?
- ・お金、成長、安定、社会貢献のうち、どれを最も優先したいですか?
- ・5年後、10年後、どんなキャリアを歩んでいたいか?
基準設定
就活の軸に基準を設定すると、さらに企業を絞り込めます。
たとえば企業によって特定事業のみに注力している企業もあれば、複数の事業を営む企業もあります。上記のような違いがあるため、就活の軸に基準を設定すれば企業選びがよりスムーズに進められる点がめりっとです。
以下の質問は、就活の軸に基準を設定する上でヒントになります。
- ・福利厚生や待遇にどの程度こだわりたいですか?
- ・出張、転勤、海外勤務などに問題はないか?
- ・専門性をより強化したい、それとも専門性をベースに成長したいのか?
- ・社風や人間関係はどれくらい重視する?
優先順位付け
就活の軸が複数個ある場合には、優先順位をつけるとよいでしょう。
すべての就活の軸を完璧に満たす企業は現実的には存在しないため、就活の軸の中で優先順位を決めることにより企業が選びやすくなります。
また、選考対策ができる企業数にはリソース上の限度があるため、優先順位を決めておくとスムーズな就活につながります。
以下の質問は、優先順位を決める上でヒントになります。
- ・ワークライフバランスとキャリアアップ、どちらを優先したいですか?
- ・チームで働くのと個人で成果を出すの、どちらにやりがいを感じるか?
- ・大企業とベンチャー企業のどちらに魅力を感じる?
優先順位の決め方と比較シート

目星をつけた企業の中から、さらに企業を絞り込むには企業を選ぶ基準に優先順位が必要です。
優先順位は自分の中でも大切にしている価値観や将来像を基に決めます。
たとえば、グローバルに活躍できる人材になることが目標の場合は、国外で活躍できるフィールドを持つ企業が優先されます。
自分の価値観や将来像が明確にできれば、企業を選ぶ基準に優先順位がつけられる点がメリットです。
『TECH OFFER』では理系学生の就活をサポートするために、企業選びで使える比較シートを作成しております。
以下のリンクからダウンロードが可能となっておりますので、興味のある方はぜひクリックしてみてください。
面接で『企業選びの基準』を聞かれたとき

面接における頻出の質問はいくつかありますが、企業選びの基準もよくある質問の一つです。
企業選びの基準はポイントをおさえないと回答が長くなるため、実は回答難易度の高い質問です。
本章では、企業選びの基準に対する答え方と回答例を解説します。
おすすめの回答方法
企業選びの基準に対するおすすめの回答方法は、「結論→根拠→応募先との接点」の順に回答することです。
上記の順番で回答すれば、企業選びの基準をスマートに伝えられると同時に説得力の高い回答になります。
各項目でのポイントは以下のとおりです。
結論:「私は現在の研究につながる事業をしていることを基準に企業選びをしています。」
結論ファーストはビジネスの基本であり、結論から説明することで会話に一つの方向性を持たせられます。
根拠:「現在の研究では多くの成果を生み出せており、将来的に多くの社会課題の解決が期待できるため、今後も引き続き研究ができる企業を探しています。」
企業選びの基準を裏付けるための根拠・理由を説明します。
応募先との接点:「御社は私の研究分野で最も多くの投資をしている企業であり、その積極的な姿勢に魅力を感じて応募しました」
数ある企業の中から、なぜ自社に応募したのかを説明します。
企業選びの軸と企業の特徴がマッチするほど、説明に説得力が増します。
回答例①
私は現在の研究につながる事業があるか否かで企業選びをしています。
現在の研究では多くの成果を生み出せており、将来的に多くの社会課題の解決が期待できるため、今後も研究ができることを何よりの望みとしています。
御社は私の研究分野で最も多くの投資をしている企業であり、その積極的な姿勢に魅力を感じて応募しました。
回答例②
私は自身が成長できる環境なのかを基準に企業選びをしています。
AIの急発達や経済状況が様変わりする中で、知識やスキルを身につけた人材だけが会社や社会に価値を提供し続けられると考えたため、成長できる環境を重視しています。
御社は規模の大きいビジネスを扱っていると同時に、新人にもチャンスを与える社風と伺ったため、応募しました。
回答例③
私はグローバル展開をしているのかを基準に企業選びをしています。
幼少期より学んでいる語学力や海外文化への高い理解力を武器に、将来的にグローバルで活躍したいと考えているためです。
御社は私の研究分野の中でも積極的に海外展開を進めており、私の将来像が実現しやすい点に魅力を感じて応募しました。
【男女別】理系学生に人気の企業ランキング

では理系学生に人気の企業はどこなのでしょうか。
理系学生に人気の企業を男女別にランキングで紹介します。
女子理系大学生に人気の就職先企業ランキングTOP10
順位 | 企業 | 総合順位 |
1 | NTTデータ | 3 |
2 | 花王 | 23 |
3 | 味の素 | 5 |
4 | 伊藤忠商事 | 1 |
5 | 富士通 | 32 |
6 | 資生堂 | 30 |
7 | キリンホールディングス | 21 |
8 | ソニーミュージックグループ | 2 |
9 | エイベックス | 7 |
10 | 伊藤忠テクノソリューションズ | 53 |
ランキングからは化粧品の会社が、理系女子学生には人気なことがわかります。
他にもIT企業などが上位にランキングしています。
男子理系大学生に人気の就職先企業ランキングTOP10
順位 | 企業名 | 総合順位 |
1 | NTTデータ | 3 |
2 | NTTドコモ | 11 |
3 | アクセンチュア | 9 |
4 | Sky | 26 |
5 | 伊藤忠商事 | 1 |
6 | 日本郵船 | 4 |
7 | キーエンス | 47 |
8 | ソニーグループ | 29 |
9 | パナソニック | 39 |
10 | KDDI | 10 |
男性に人気な会社としてはメーカー系が多く見受けられます。
その他コンサルなども人気です。
企業選びでよくある質問

企業選びに正解はないため、企業選びに対してさまざまな意見や考え方があります。
多くの意見や考え方に触れるうちに、企業選びに対する疑問が湧いてきても不思議ではありません。
本章では企業選びでよくある質問を解説します。
軸が決まらないときの第一歩は?
就活の軸が決まらない場合は、自己分析をもう一度おこないましょう。
自身の中で何が大切なのかがはっきりとせず、就活の軸が決まらないためです。
過去から現在までを振り返り、自身の考え方や将来像、やりがいを感じた瞬間を洗い出すと就活の軸につながるヒントが見つかります。
複数内定の決め手は?
複数の内定がある場合、優先順位の高い就活の軸を決め手しましょう。
現時点で最も大事にしている条件に合致する企業にすれば、就職を通して実現したいことが達成できます。
優先順位の高い就活の軸を決め手にできなければ、実際に触れた企業の雰囲気や社員の人柄などで決めるのもおすすめです。
研究で忙しくインターンに行けない場合は?
自己分析の徹底や採用情報の深掘り、OB/OG訪問、オンライン座談会の参加など、できることから取り組みましょう。
インターンシップは夏季や冬季、秋季にも開催されており、想像以上に参加チャンスは多くあります。
研究で忙しいとは思いますが、就活にプラスに働くため、合間を縫って参加するようにしましょう。
これだけは知っておきたいポイント(まとめ)
この記事では、「【理系版】後悔しない企業の選び方|隠れ優良企業の見つけ方とは?」について解説してきました。
重要なポイントをおさらいします。
- ・企業選びにあたって学部卒か院卒で企業選びも変わってくる
- ・理系学生の企業の選び方は3つ気をつけるべき点がある