ーこのインタビューでは、香取さんの学生生活や就職活動、さらにTECH OFFERをご使用されたご感想についてお伺いしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!
ーまず、香取さんの研究テーマについて教えてください。
トライボロジーに関する研究をしています。あらゆる機械には摩擦が存在するので、それをコントロールすることを大きな目標とし、摩擦のメカニズムを理解することと同時に、どのような設計をするのが大切かということについて研究をしています。学部では実験を中心に、修士では数値解析も用いて研究を行っています。卒業までの期間は修士論文に本腰を入れて過ごしていこうと考えています。
ー非常に緻密で高度な研究をしているのですね!お忙しい日々を送っていると思いますが、サークルや趣味を楽しむ時間も取っているのでしょうか。
はい。サークルではスキーをしています。全国大会でも結果を残しているような本格的なサークルです。種目は基礎スキーといって、フィギュアスケートのように規定された演目の中で、正確性・合理性に点数をつけて競い合うものです。また趣味では登山をしています。高校時代は山岳部の部長を務め、今でも長い休みは山に籠りリフレッシュしています。どちらも計画性やリスク管理、限界突破能力の向上に繋がりました。
ーどちらもかなりの体力を必要とする競技ですね。凄いです...!では次に、香取さんの就職活動についてお伺いしていこうと思います。香取さんはいつ頃就活を始めたのですか。
修士1年の4月下旬からコロナ渦においてどう就活を進めていくべきかということを考え始めました。そこからサマーインターンに向けて、5、6月に企業研究やES対策をスタートしましたね。サマーインターンには5社、オンラインで参加しました。企業に対する理解が深まった一方で、雰囲気まで掴むことは難しかったなと感じました。秋冬インターンとセミナーには合わせて8社ほど参加しました。
ーインターンには積極的に参加されていたのですね。ちなみにTECHOFFERを使用し始めたのは、就活開始と同時期だったのでしょうか。
そうですね。夏頃に研究室にてチラシを頂いたことをきっかけに利用し始めました。使いやすく、忙しい中でも新たな企業との出会いがあり非常に有益だと感じましたね。限定ルートやイベントの案内がきたり、TECHOFFERならではの旨みがありました。特に、多くの就活サイトは文系への情報が多い中で、理系限定で情報が発信されていてとても助かりました。
ーTECHOFFERを上手く活用されていたのですね!サービスを活用しながら就活を進められたと思いますが、企業を選定していくうえで軸にしていたことは何だったのでしょうか。
大きく分けて2つあります。1つ目は、社会に還元できる仕事であるかどうかです。私は田舎出身なのですが、中卒高卒で働く友人もいれば、大学に進学する人もいます。成人してかつ大学院まで残らせてもらった以上、そこで学んだことを使って貢献できる仕事がしたいと考えています。全ての仕事は社会に貢献できると思いますが、学ばせてもらったことを活かして社会に貢献していくという意味で “還元できる仕事” をしたいと思いました。2つ目は、機械科学専攻として美的造形に関わることができる企業であるか、という点です。美術鑑賞が好きなこともあり、製品のデザインなど美的な部分に感銘を受けることが多々あります。ものづくりにおいてデザイナーと設計エンジニアの対立はしばしば起こると考えています。前者は購買欲や所有欲を掻き立てるような造形を生み出す一方、後者は機能性や安全性を保証しなければならず、最終製品ではどちらかの意思が犠牲にされがちであるからです。その点に関して、BtoCの企業の中でも両者が活発に議論し合い、力を合わせることで、美的造形と機能性が高いレベルで融合した製品を世に送り出せる環境があることを重要視しました。この2つを軸にして、最終的には5社の本選考を受けました。
ー香取さんの好きなことやこれまでの学びを社会に活かせるかどうかを軸としていたのですね。本選考ではES準備や選考対策など大変だったと思いますが、研究との両立はどのようになさってたのですか。
就活に集中する日と研究に集中する日とでしっかり分けていましたね。忙しいときは土日も休まずどちらかに取り組んでいました。企業によって結果の通知が遅いこともあり、それに合わせてスケジュールを組まなければならなかったのは結構大変でしたね。
ーちなみに、内定が出たのはいつでしたか?そして、その企業に入社を決めた理由は何だったのでしょうか。
3月上旬でした。その企業が唯一対面でお話を聞くことができ、その際に自分の就活軸との合致を身を持って実感できたことが決め手でした。
ー自分にとって適切だと身を持って実感した企業に入社できたということですね。入社後には何をしたいと考えていますか。
入社先であるコクヨ株式会社の企業理念が「Be Unique」であり、一人ひとりそれぞれを尊重して、自分らしさを活かせる社会づくりをしていこう、自分たちもユニークであろうという思いを大切にしています。そのような企業において自分らしさを発揮していきたいと思う一方で、基礎力や知識の土台がしっかりしないままでは “独りよがり”に過ぎず、説得力にも欠けると思っています。そのため、短期的なビジョンとしては、若いうちはどんな仕事も引き受け、たくさん働くことで基礎的な能力や仕事における体力の向上に邁進します。土台ができる頃には年齢も上がり、部下もいるだろうと思うので、長期的なビジョンとしては、自分らしさを提案していくとともに新たな世代のユニークさもどんどん取り入れ、俯瞰的な視点から会社らしさ、自分らしさを活かしたオフィス家具を作ることで社会に貢献していきたいです。
ー自分なりの考えに基づいた、明確な目標を持っているのですね。では最後に、香取さんから、就活を控えている学生に向けてアドバイスをお願いいたします。
自分の趣味やこだわりが強い人ほど希望の就職先や複数の企業から内定をもらっている印象があるので、フォーマット通りではなく、信念に基づいた自分がやりたいことを企業に伝えられると、相手の印象にも残りやすくなると感じました。どんなものであれ “自分の色” というものをどんなものであれ持っているといいのではないかと思います。
ー本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!