面接には一次面接、二次面接、最終面接など複数のフェーズがありますが、それぞれの違いや対策について知っていますか?

選考が進むにつれ、企業側の参加者は人事担当者、課長、役員・社長と変わっていきます。面接官のポジションや目的によって、面接の評価ポイントは大きく異なります。

この記事では、理系学生の皆さん向けに「選考段階別の面接対策」について解説します。

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まずは面接の基本を理解しよう

まずは面接の基本を理解しよう

面接を通過するためには、企業が考える面接の目的や意義について理解する必要があります。まずは基本となる「面接とは何か?」について説明します。

面接の目的

面接の目的は大まかにわけて2つです。

一つは、履歴書やエントリーシート(ES)など、候補者の基本情報の確認です。大学・所属の確認や卒業時期、希望職種や勤務地など、書類の記載内容について確認を行います。

もう一つは、エントリーシートを元にした人物の確認です。

・エントリーシートの人物像と対面での印象に、大きなギャップはないか

・プレゼン能力やコミュニケーション能力はどの程度備わっているか

・キャラクターは組織に合致するか

・やる気があり、成果を出せる人材か

・採用してリスクがないか

面接の機会が与えられた時点で、あなたは「書類審査における企業の採用基準」をクリアしています。

面接は、エントリーシートを深掘りすることで、書類では分からない候補者の「人となり」を明らかにする場といえます。

面接の基本マナー

本番に臨む前に、面接の基本的なマナーについて理解しておきましょう。

・身だしなみ

清潔感を感じる髪型、服装を心掛けましょう。

企業側から服装の指定がない限り、男女ともスーツの着用が一般的です。

男性にありがちなマイナスポイントは、髭のそり残しや靴の汚れ、寝ぐせです。スーツを着慣れていない人は、襟の後ろからネクタイがはみ出ていることがあるので要注意です。

女性は、メイクが与える印象について理解しておきましょう。きれいに見せるよりも、シンプルで明るいメイクが好印象です。

ノーメイクはフォーマルな服装とのバランスが取れないため、普段ノーメイクの人も下地とパウダーで整えるなど最低限のメイクは必要です。

・受付

企業の敷地に入った時点で、面接は始まっていると考えましょう。元気な挨拶と明るい表情を意識してください。

受付では、「自分の所属と名前」「面接目的の訪問であること」「企業側の担当者名」をはっきりと伝えましょう。

企業はこういうことさえできない状態で来社する人は、教育で手間がかかり先が思いやられると感じます。

・入室

入室時のノックは、2回ではなく3回です。ノック後は勝手にドアを開けず、室内にいる面接官の反応を待ちましょう。入室を促されたら、「失礼します」と一言断ってからドアを開けてください。

・面接本番

自己紹介では「大学、所属、学年、名前」を伝えます。面接の機会をいただいたことについて、必ずお礼を述べましょう。

例:「〇〇大学○○学専攻○○学コース 田中太郎です。本日は面接の機会をいただきありがとうございます。」

人は緊張すると、声は小さく早口になりがちです。大きめの声で、ゆっくりとはきはきと話すようにしましょう。着席する際は7割程度腰かけ、背もたれには持たれず背筋を伸ばすと姿勢よく見えます。

面接の最後には「御社で精一杯頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」と、相手の目を見て自分の真剣さを伝えるようにしましょう。

・面接終了後

面接が終了したら、面接官に対してもう一度お礼を述べてから退室します。

帰宅後は、当日中にお礼メールを送るのが社会人としてのマナーです。

面接の心構えや詳しいマナーについては、別記事(面接の心構え記事リンク参照)で解説しています。これから面接に臨む人は是非読んでみてください。

最終選考とそれまでの選考は何が違う?面接の位置づけについて

最終選考とそれまでの選考は何が違う?面接の位置づけについて

企業が考える選考フェーズごとの面接の意義は、3つの観点から考えることで理解しましょう。一次面接、二次面接、最終面接の段階別に、面接の傾向と対策について解説します。

面接の位置づけは「心・技・体」に分けて確認

企業が新卒採用において重視する概念は、上記の表のような「心・技・体」3つの観点に分けられます。

・「心(理性)」

企業理念、企業の根底となる価値観とのマッチング度

・「技(悟性)」

学力や専門分野の知識など、企業が求める技術面、能力面での素養

・「体(感性)」

企業文化や社内の雰囲気と、候補生の人物面との合致度、やる気と覚悟

企業の考える「心・技・体」に対して、候補者がどの程度当てはまっているかを確認するのが面接です。

それぞれの選考フェーズにおいて、確認するポイントは異なります。次の項からは面接の段階別に解説します。

一次面接

一次面接では「体(感性)」、人物面の基礎評価がメインとなります。担当する面接官は、人事担当者や配属部署の課長などが一般的です。

最近では、皆さんの先輩にあたる入社後数年の若手社員が面接官となるケースも増えています。

一次面接の段階では、「入社後にやっていけそうか」「性格は社風に合っているか」「働くことへの意欲や積極性を持ち合わせているか」など、候補者に社会人としての基礎的素養が備わっているかが評価のポイントです。

企業は新卒採用の可能性を広げるため、なるべく多くの候補者と会うことを目的としています。

一度の面接に複数の候補者が参加する集団面接の可能性も高く、候補者一人あたりの持ち時間はあまり多くはありません。

一次面接でよくある質問をいくつか例としてご紹介しますので、事前に回答を用意しておきましょう。

・自己紹介をしてください。

・一分間で自己PRをしてください。

・学生時代に頑張ったことは何ですか。

・この会社を志望した理由を教えてください。

多数の候補者の中から二次面接に進むためには、身だしなみや「はきはきと元気よく話す」「質問の意味を理解して的確に受け答えをする」などの基本をおさえつつ、いかに「入社への意欲」を伝えるかが重要です。

二次面接

二次面接は、3つの観点のうち「技(悟性)」が主なテーマです。企業が求めるスキル、能力、素養が備わっているかが焦点となります。

二次面接では技術職の中間社員や幹部が面接官を担当し、候補者の技術的素養が企業の求めるレベルに合致しているかを確認します。

候補者の卒業研究や企業側技術に関する話題、エントリーシートへの深掘りなど、一次面接よりも時間をかけて面接を行います。

二次面接において企業側が知りたいポイントは以下の通りです。

・論理的思考能力が備わっているか

・専門性・技術力が備わっているか(ロースペック・ハイスペック過ぎないか)

・受け入れ部署の業務や環境が、候補者の希望と合っているか

・一緒に働きたいと思える人材か

(能力だけではなく、人物面や仕事への基本姿勢と理解)

二次面接で意識するべきポイントは「論理や主張に矛盾がなく、一貫性があるか」です。理系として論理的に話題を展開し、エントリーシートや一次面接の内容と矛盾しないよう、事前準備はしっかりと行いましょう。

二次面接の面接官には受け入れ部署の代表としての責任が伴うため、人物面でのリスク(受け入れ部署の同僚との相性など)も確認されるポイントの一つです。

企業によっては、一次面接と二次面接を兼ねている場合もあります。技術面のPRだけではなく、常に人物面を理解してもらえるように努めましょう。

最終選考・役員面接

最終選考では、3つの観点の「心(理性)」、企業理念に代表される「企業のDNA」に候補者がマッチしているかがテーマとなります。面接官は部長や役員、社長など、会社のトップ層が面接官です。

一次面接、二次面接を通過した段階で、能力的には一定以上の水準を満たしている候補者として認められています。最終面接は、企業と候補者の最後の摺り合わせとして、下記のような項目が評価の論点です。

・この会社で働きたい、この会社でなければならない動機と意欲の確認

・長く続けられるか、ミスマッチ採用ではないかなど、リスクの再確認

・入社への意思確認(第一希望か否か、内定通知から受諾までの時間など)

最終面接の所要時間や通過率については、企業によって大きく異なります。

入社への意思確認と入社後のスケジュールを確認する「ほぼ内定確定」の最終面接もあれば、二次面接の延長として、じっくり面接を行うケースもあります。

最後まで気を抜かず、最終面接への事前準備と対策を行って臨みましょう。

最終選考に到達するための理系就活の面接のコツ

最終選考に到達するための理系就活の面接のコツ

「面接前はどうしても緊張してしまう…」

「想定外の質問をされたらどうしよう?」

面接前に誰もが抱く不安を解消して最終選考に到達するために、

面接に役立つコツを紹介します。

面接は事前の準備で8割が決まる

余裕を持って面接に臨むために必要なのは、十分な事前準備です。

面接の事前準備としてやるべきことは2つ、「エントリーシートの見直し」と「企業分析」です。

企業が持っているあなたの情報は、基本的にエントリーシートしかありません。書類選考を通過したということは、企業はあなたのエントリーシートに興味を持っています。

面接前に作成したエントリーシートを見直し、それぞれの項目から話が展開することを想定してみましょう。

エントリーシートを作りこむためには、自己分析が必須です。これからエントリーシートを作成する場合は、まずは自己分析をしっかり行いましょう。

企業分析は、志望動機の裏付けや入社意欲を伝える上で必須です。エントリーシートの出来が良くても、企業分析が不十分と見なされれば「この学生は入社意欲が低いのかな」と評価されてしまいます。

志望度の高い企業については、徹底的な企業分析をお勧めします。

面接前に「3つの軸」を用意しておく

面接では様々な質問を受けます。想定外の質問で、答えに詰まる場面もあるでしょう。

答えを用意していない質問に対しても、臨機応変にかつ一貫性を持って回答する方法「軸に即した面接回答」を紹介します。

まずは以下の質問から、自分の3つの軸を決めます。

・好きな言葉は?:例:好きこそものの上手なれ

・自分のキャラクターは?:例:好奇心旺盛

・大切にしている価値観は?:例:先入観を持たない

回答に困った場合は、上記の3つの軸を元に回答してみましょう。

・例1:苦手な仕事に直面したとき、どのように対応しますか。

回答:私は先入観を持たないことを価値観としています。苦手そうな仕事にも自発的に挑戦し、まずは自分ができることを探します。

好きこそものの上手なれと言いますが、どんな仕事でも楽しめる部分を見出して、モチベーションを保ちながら取り組めます。

・例2:自分を動物に例えると何ですか?

回答:自分を動物に例えると、ミーアキャットです。私は好奇心が旺盛で、常に興味が持てることを探し回ってあたりを見回しているからです。

思考から行動に至るまでのスピード感も、すばしっこいミーアキャットに似ていると思います。

面接ですらすら話せる魔法の言葉

面接中では、限られた時間の中で要点を伝える必要があります。話の前半部分に時間をかけすぎて、一番伝えたいPRポイントまでたどり着かなかった経験はありませんか。

時間制限内にすらすら話せる、会話の枠を作る言葉をご紹介します。

・〇〇はAです。なぜなら~

まず、聞かれた質問に対して、結論を端的に答えます。

回答の後に「なぜなら」を繋げて情報を追加・補足することで、相手に伝わりやすい自己PRができます。

先に結論を伝えておけば、話の途中で何を言いたかったのかわからなくなることはありません。論理的に物事を伝えられる、という評価にもなります。

・具体的には~

研究やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)をPRする際に有効です。上記と同様、まずは結論を伝え、その後具体的な成果について、数字や実例を交えながら説明します。

相手の表情をうかがいつつ、自分が抽象的であいまいなことを話していると感じたら、すかさず「具体的には」という言葉を使いましょう。

・〇〇は2つあります。一つは〇〇、もう一つは〇〇

自分が伝えたいことを、筋道立てて伝えたいときに役立ちます。最初から伝える話題の数を明確にしておくことで、話のゴールが見えやすく、論理的に話すことができます。

新卒の最終面接で良く聞かれる質問

新卒の最終面接で良く聞かれる質問

ではここからは、新卒の最終面接で聞かれがちな質問を確認していきます。

就活のご状況はいかがですか

内定となった際に本当に入社してくれる人物かどうかを判断するため、就活の状況を聞かれることがあります。虚偽の状況を伝えても意味はないため、事実を伝えれば問題ありません。一方で候補の企業の中では最も魅かれていることを伝えて、入社意欲を丁寧にアピールすることが大切です。

改めて自己PRをお願いします

最終選考はこれまでの選考と面接官が変わる場合も多いため、改めて自己紹介を求められる場合もあります。基本的には一次・二次の回答と同様で構いませんが、テンプレートでない答え方が大切です。これまでの選考を経て感じたことなどを自己PRに加えることも、非常に有効です。

入社後にチャレンジしたいことはありますか

入社後のビジョンを確認するために、挑戦したいことを聞かれるケースもあります。将来を考えていることは、入社意欲があることと同義です。将来に関する質問があれば、より具体的なキャリアプランや取り組みたい仕事内容を答えることが大切。追加の質問も想定しておきましょう。

大変な部分もある仕事ですが大丈夫ですか

入社への覚悟感を確認するための質問です。実際に困難に直面してもくじけない、あきらめない理由をしっかり回答することが重要です。単に我慢強いという回答ではなく、「〜がしたいから困難としっかり向き合うことができます」という入社同期に紐づいた答え方だと非常に良いでしょう。

他の企業ではなく、弊社を志望した理由を教えてください

企業選定の価値観や、入社意欲を確認するための質問です。企業理念やビジネスモデルなど、組織の独自性と自分が入社したい理由を絡めて話すことが大切になります。「この会社だから入社したい」という想いを、しっかりと伝えましょう。

最終面接の合格率を高めるための工夫

最終面接の合格率を高めるための工夫

最後に、最終面接の合格率を高めるための工夫を紹介します。誰でも活用できる内容ばかりなため、ぜひ試してみてください。

最終面接前に心構えを整えておく

最終面接で思ったように話すためには、心構えを整えておくことが大切です。面接練習では反復練習をしがちですが、それではイレギュラーな質問には答えられません。表面的な練習ではなく、「どうして入社したいか」「入社してどんな自分になりたいのか」など、気持ちに向き合って整理しておきます。自分の軸が整うことで、どんな質問にも堂々と答えられるようになるでしょう。

最終面接では逆質問をする

どんなに話が上手でも、面接官の印象に残らなければ採用されません。入社意欲のある就活生だと印象づける最も簡単な方法が、最終面接の逆質問です。「最後にご質問はありませんか」と面接官に問われた際には、必ず質問しましょう。

相性の良い企業を事前に探しておく

最終面接で合格率を高めるには、そもそも自分に合った企業選定をしておくことが大切です。そのためには、企業側からのオファーを受け取れる、TECHOFFERなどの逆オファー型就活サイトを活用すると良いでしょう。

例えば、TECHOFFERではWEB上で自身の専攻・研究分野・志望業界・職種などを登録しておけば、人材を求める企業からオファーを無料で受け取れます。自分のスキルや性格をもとにオファーをくれるので、説明会や面接への招待をもとに選考に臨むことが可能です。面接の優遇などもあり、TECH OFFERを活用して自分を求めてくれる企業を早めから探しておけば、合格率は高まるでしょう。

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これだけは知っておきたいポイント

選考段階別の面接対策について解説しました。

事前の準備さえしっかり出来ていれば、面接はそれほど緊張する必要はありません。「評価される」という受け身のマインドよりも、「等身大の自分を見てもらう」攻めのマインドの方がうまくいきます。

すべての面接に合格する必要はないことも、心に留めておきましょう。偽らない自分を評価してもらうことが、幸せなキャリア選択につながります。

今回のポイントは以下の4つです。

1.一次面接は短時間勝負。社会人のマナーを押さえつつ、意欲を伝えよう

2.二次面接は技術、能力を見せる場。論理的かつ一貫性を持って話す

3.最終面接は価値観の摺り合わせ。会社を選んだ動機と意思を正直に伝える

4.最終選考の合格率を上げるために、工夫することも忘れない

この記事が理系学生の皆さんにとって、お役に立てば幸いです。

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