任天堂 企業概要

こんにちは!今回は、任天堂株式会社(以下、任天堂)について徹底解説します。任天堂は日本が誇る世界的なエンターテインメント企業ですが、具体的にどんな会社なのか、どんな特徴があるのか、一緒に見ていきましょう。

企業概要

任天堂は、ゲーム業界でトップクラスの存在感を持つグローバル企業です。明治時代創業という長い歴史を持ちながら、常に時代に合わせた革新を続けています。競合のソニー(PlayStation)やマイクロソフト(Xbox)と並ぶ「世界三大ゲーム機メーカー」の一角でありつつも、その独自性は群を抜いています。

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設立年・歴史

任天堂は1889年に創業されました。創業者は山内房治郎氏で、京都で花札の製造販売からスタートしたのが始まりです。当時は紙製品の小さな工房でしたが、130年以上もの間に事業領域を何度も変革し続けてきました。その適応力により、現代のハイテク業界でもトップを走り続けています。現在の法人としての設立は1947年ですが、創業は1889年と非常に歴史が深い企業です。創業から一世紀以上経た現在も第一線で活躍していること自体が、この会社の驚くべき革新性を物語っています。

本社・拠点

任天堂の本社は京都府京都市南区にあります。多くの大手テクノロジー企業が東京に集まる中、京都に本社を置く点は任天堂のユニークさを際立たせています。主要な研究開発拠点も京都に集中しており、京都では落ち着いた環境の中で集中して開発に取り組めます。一方で東京にも事業所や子会社を構え、最新の情報発信や他企業との連携も行っています。海外展開も積極的で、アメリカやヨーロッパをはじめ各国に現地法人があります。実は売上の7割以上が海外市場からで、任天堂は国内企業でありながら真のグローバル企業と言えます。京都に根差しつつ世界中にファンを持つ姿は、「和とグローバルの融合」の象徴的存在ですね。

代表者

現在、任天堂を率いるのは代表取締役社長の古川 俊太郎(ふるかわ しゅんたろう)氏です。2018年から社長に就任した古川氏の下、任天堂は「任天堂らしい挑戦」を続けています。古川社長は「独創的な新しい提案をし続けること」の重要性を語っており、業界のトレンドに流されず任天堂ならではの道を切り拓く姿勢を強調しています。なお、代表取締役フェローとしてあのマリオ生みの親・宮本 茂氏も名を連ねており、経営面でもクリエイティブ面でも盤石の体制を敷いています。

任天堂は1889年創業の老舗ながら、京都に本社を構え世界へ躍進するユニークなゲーム企業です。他社にはない発想力と伝統を両立させ、常に業界に新風を吹き込んできました。

参照元:
任天堂 会社の沿革
任天堂 会社概要
任天堂 2025年3月期 決算説明資料

業態

任天堂 業態

任天堂の事業内容を一言で言えば、「ゲーム専用機(ハード)とゲームソフトの一体開発・提供」です。自社でゲーム機本体もソフトも作り出す独自のビジネスモデルを確立しており、これが他社との大きな違いになっています。

任天堂の中核ビジネスは、家庭用ゲーム機の開発・製造・販売と、その上で動作するゲームソフトの企画・開発・販売です。ポイントは、ハードウェアとソフトウェアを一体で設計する「一体型ビジネスモデル」にあります。例えばNintendo Switch(ゲーム機)とその上で動く『マリオ』『ゼルダの伝説』やといったゲームソフトは、どちらも任天堂自身が手掛けています。※100%出資の子会社(モノリスソフト)にて部分受諾開発
このようにハードもソフトも自社で作ることで、両者が深く最適化された唯一無二のエンターテインメント体験を生み出せるのです。他社では、ソフト会社とハード会社が別々であることも多いですが、任天堂は両輪を自前で回せる強みを持っています。

この一体型モデルは技術者同士の密接な連携を必要とします。ハードの特徴(例:Joy-Con(ゲームコントローラー)のモーションセンサーやHD振動など)を最大限活かすには、ソフト側での創意工夫が欠かせません。逆にソフトの新しいアイデアがハードの設計に影響を与えることもあります。理系の皆さんにとって、任天堂での開発は電気・電子工学、機械工学、ソフトウェア工学、デザイン工学など異なる専門分野が交わる横断的なものになります。自分の専門スキルを活かしつつ、他分野のエンジニアとも協力し合い、システム全体を見渡す視点が求められるダイナミックな環境と言えるでしょう。

さらに任天堂は、専用ゲーム機ビジネスにとどまらず自社の強力な知的財産(IP)を活用して事業領域を広げています。例えばスマートフォン向けのゲームアプリを提供したり、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのマリオテーマパーク(スーパー・ニンテンドー・ワールド)への協力、ハリウッド映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の制作協力、キャラクターグッズ販売など、多角的な展開を行っています。これらは単に収益源を増やすだけでなく、「マリオの世界」をゲーム以外でも体験してもらう戦略です。大切なIPをゲーム以外のエンタメに広げることで、ファン層を拡大しつつIPの価値を高め、コンソール世代交代の波に左右されにくい安定した成長を目指しています。

ビジネスモデルの面で見ると、任天堂は全体を自前でカバーしているのも特徴です。ゲームの企画立案から開発、製造(本体ハードの生産など)、流通販売、発売後のサービスサポートまで、一貫して責任を持つ体制を敷いています。ハード販売による収益とソフト(パッケージ版・ダウンロード版)の収益の両方を得られる構造で、近年はネット経由のデジタル販売比率も増えてきました。追加コンテンツ販売やオンラインサービス収入も含め、収益源が多彩なのも強みですね。任天堂はハードもソフトも自社開発する独特のモデルで、ゲーム体験をトータルにデザインしています。さらにマリオなどのキャラクターIPを軸に、ゲーム以外の分野にも挑戦して収益の多角化とブランド価値向上を図っています。この統合型ビジネスにより、他社にはない強みと安定感を実現しています。

主要製品

任天堂はこれまで数々の革新的なゲーム機とゲームソフトを世に送り出してきました。その代表格と現在の主力製品が2017年発売の「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」です。Switchは家庭用据置機と携帯機のハイブリッドという新発想で、コントローラー(Joy-Con)を着脱して友人とすぐ遊べる手軽さや、自宅のテレビでも外出先でも同じゲーム体験ができる柔軟さが支持されました。発売から数年経った今も世界的大ヒットを続け、累計販売台数は1億台を超える勢いです。Switchは任天堂の「遊びの提案力」が凝縮された製品と言えます。2025年にはNintendo Switch 2が発売されました。

過去の主要ハードウェアも振り返ってみましょう。ファミリーコンピュータは1983年に発売され、家庭用ゲーム機市場を世界的に切り拓きました。初代ゲームボーイ(1989年)は携帯型ゲーム機の代名詞となり、「いつでもどこでもゲーム」を可能にしました。ニンテンドーDS(2004年)は二画面&タッチパネルという斬新なインターフェースで幅広い層にヒット。Wii(2006年)は体を動かすモーションコントロールでゲーム=運動という新境地を開拓し、ゲーム経験のない層まで巻き込む社会現象を起こしました。これら歴代ハードはいずれもその時代ごとにユニークな遊び方を提案してきたのが特徴です。「誰も見たことがない遊び」を実現するためにハード設計から工夫する、この路線が任天堂らしさですね。

主要ソフトウェア(ゲーム)についても触れないわけにはいきません。任天堂は世界的人気キャラクターを多数生み出しています。『スーパーマリオ』シリーズは言わずと知れたアクションゲームの金字塔であり、マリオはゲーム界の顔とも言える存在です。『ゼルダの伝説』シリーズはゲームデザインや物語性で常に高い評価を受け、『ポケットモンスター(ポケモン)』シリーズはゲームのみならずアニメやカードゲームでも子供たちに絶大な人気を博しています。その他にも『どうぶつの森』や『スプラトゥーン』、『星のカービィ』など、枚挙に暇がありません。これらのゲームソフトは単なる商品を超えて、任天堂のブランドと世界観そのものを形作っています。ハードを買えばマリオやポケモンで遊べる 。キャラクターIPの力がハードの魅力を高め、逆にユニークなハードがあるからこそそのIPがより輝く、という好循環が任天堂の製品ラインナップにはあります。

任天堂はファミコン・ゲームボーイからSwitchに至るまで、ハードでもソフトでも業界を革新してきました。革新的ハードウェアと魅力的ソフトウェアの組み合わせで、「任天堂にしか作れない楽しさ」を提供し続けています。これら製品群への世界中の支持が、同社の盤石な地位を支えているのです。

企業規模

任天堂の企業規模を数字で見てみましょう。売上や利益はゲーム業界でもトップクラス、しかし社員数は意外とコンパクトで、一人ひとりが高い価値を生み出していることがわかります。

企業データ

資本金:100億6,500万円

連結売上高:1兆1,649億円(2025年3月期)

連結営業利益:2,825億円(2025年3月期)

連結社員数:8,205人

単独社員数:2,962人

主要関係会社数:17社

平均年齢:40.2歳

平均勤続年数:14.4年

※2025年3月末

任天堂は、2025年3月末時点で約100億円の資本金を持ち、長年の成功がうかがえます。2025年3月期の連結売上高は1兆1,649億円に上り、国内企業でもトップクラスの規模です。しかも売上の大半は自社のゲーム機・ソフトによるもので海外比率も高く、世界中で愛されるIPの強みが表れています。営業利益は2,825億円(利益率約25%)と非常に高収益で、強力な商品力と効率的な経営の賜物と言えます。この潤沢な利益のおかげで巨額の研究開発投資や社員への還元(高水準の給与・福利厚生)を行う余裕があります。実際、任天堂は毎年数百億円規模の開発費を投じ、高い給与水準を維持しています。

社員数は2025年3月時点で任天堂単体2,962名(グループ全体で約8,000名)と売上規模の割に少なく、生産性の高さと少数精鋭の体制を示しています。開発の多くは社内チームで行う一方、製造・流通では外部パートナーを活用することで、必要以上に社員を増やさずに済んでいるようです。適切な人数規模のおかげで、巨大企業でありながら家族的な一体感やで、14年以上勤める社員が多いのは極めて珍しく、それだけ働きやすく、やりがいのある職場であることを物語っていますね。

任天堂は売上・利益ともに世界トップクラスの規模を誇り、強固な財務基盤を持っています。一人ひとりが大きな役割を担う実感を持てる規模感です。この安定した業績は、社員への手厚い待遇や将来への投資余力を生み、働く側にとっても安心感がある企業ですね。

参照元:
任天堂 会社概要
任天堂 2025年3月期 決算説明資料
任天堂 就業情報

理念・ビジョン(VMV)

任天堂 理念・VMV

任天堂が目指す姿を一言で言えば、『娯楽を通じて人々を笑顔にする会社』でしょう。実は任天堂には、よくある公式の経営理念や社是の記載がありませんがが、それも任天堂らしさの表れで、代わりに「娯楽に徹せよ。独創的であれ。」という暗黙の社是があるとも言われています。決まり文句に縛られず常に新しい驚きを生み出し続ける。まさに任天堂らしい姿勢ですよね。

実際、任天堂は『娯楽は他と違うからこそ価値がある』という独創の精神を大切にしながら、年齢や経験に関係なく誰もが直感的に楽しめるユニークな遊びを提供することを目指しています。ホームエンターテインメントの分野で健全な経営を維持しつつ、世界のユーザーがかつて経験したことのない楽しさを届けることを重視している点も特徴的です。

また、『柔軟な経営判断を行えるように特定の経営指標を目標として定めていません』と公式に述べているように、市場の変化に応じてあえて固定的な数値目標を設けない柔軟な経営姿勢も任天堂ならではと言えます。そして、任天堂DNAとも言える「独創性」「柔軟性」「誠実さ」という価値観が社内で共有されており、こうした姿勢はCSR(企業の社会的責任)の取り組みにも色濃く表れています。

任天堂は明文化された経営理念こそありませんが、「人々を笑顔にする」という想いと独創性を何より大切にし、常に新しい遊びの価値を創り出し続けている企業なんです。固定のルールに縛られず、柔軟な発想とチャレンジ精神でエンターテインメントの可能性を広げており、独創性・柔軟性・誠実さといった任天堂DNAに基づき、これからも世界中の人々に驚きと笑顔を届けようとしています。

代表者の言葉

「任天堂に関わるすべての人を笑顔に」。
このシンプルだけど強いメッセージが、古川俊太郎社長の経営の根底にあります。

任天堂は、明文化された社是や理念を掲げていませんが、それは“柔軟な判断”を重視しているから。古川社長は、「経営指標に数値目標を設けない」と明言しており、変化の速いエンタメ業界で、その時々に応じた最適な判断をすることを大切にしています。この考え方は、単なる経営戦略ではなく、「独創性」「柔軟性」「誠実さ」という、任天堂の企業文化そのものとも言える価値観に裏打ちされています。

また、社長自身が大切にしているのは、数字やシェアではなく「世界中の人々との持続的な関係」です。売って終わりではなく、商品を通じて長期的にファンとつながること。だからこそ、ゲームだけでなく映像やテーマパークにも力を入れ、「任天堂らしい驚き」をより広く届けようとしているんです。

「ユニークな体験を、誠実に、そして長く届けたい」
そんな古川社長の姿勢からは、任天堂が“モノを作る会社”であると同時に、“信頼を届ける会社”でありたいという意思が感じられます。

古川社長の言葉から伝わってくるのは、数字ではなく笑顔を目指す”経営姿勢。独創性や誠実さを軸に、柔軟に変化を受け入れながら、世界中の人々に長く愛される任天堂をつくり続けています。

参照元:
任天堂 CSR情報 社長メッセージ
任天堂 株主・投資家向け 社長メッセージ
任天堂 会社の経営の基本方針

技術・独自性

任天堂 技術・独自性

任天堂は技術力とイノベーションで勝負する企業でもあります。ここでは、その技術面での沿革(歴史)と、主要製品における独自技術・強みについて見ていきましょう。

技術の沿革(歴史)

技術の視点から任天堂の歴史を振り返ると、常に時代の一歩先を行く試みをしてきたことが分かります。19世紀末に花札製造で創業した任天堂ですが、20世紀中頃にはおもちゃや電子玩具の開発に乗り出し、「光線銃ゲーム」や「ゲーム&ウオッチ」など当時最先端の遊びを次々に創出しました。1970年代後半には家庭用テレビゲーム機「カラーTVゲーム」シリーズを発売し、1983年にはファミリーコンピュータで家庭用ゲームの市場を築きました。その後も携帯ゲームのゲームボーイ(1989年)、スーパーファミコン(1990年)、ニンテンドウ64(1996年)、ゲームキューブ(2001年)、ニンテンドーDS(2004年)、Wii(2006年)、とハードごとに独特の技術コンセプトを打ち出してきました。

注目すべきは、任天堂が過去の成功体験に安住しなかったことです。ファミコンの大成功後も、時代の変化に応じて媒体をカセットから光ディスクへ、2Dから3Dへ、据置から携帯へと、自らゲーム体験を再定義してきました。1889年創業という古い歴史を持ちながら、現在まで世界トップ企業であり続けられるのは、この適応力と革新性の賜物です。常に「新しい何か」を模索し、既成概念を打ち破る任天堂の技術の歴史はまさに挑戦の連続でした。長期にわたり第一線で活躍できる企業というのは、社員にとっても安定とやりがいの両面で魅力的ですよね。未来に向けて進化し続ける任天堂でなら、自分のキャリアも時代に取り残されることなく成長し続けられるでしょう。

主要製品の独自技術・強み

任天堂の主要製品には、他社にはないユニークな技術的工夫と強みが詰まっています。まずインタラクション技術は大きな特徴です。Wiiではモーションセンサーと赤外線カメラによって、コントローラの振りや位置をゲームに反映させました。Switchではジャイロセンサーや加速度センサー、HD振動といった機能をJoy-Conに搭載し、触覚フィードバックや直感操作を実現しています。ニンテンドーDSのタッチスクリーンや、3DSの裸眼立体視なども画期的でした。これらはセンサー工学、ディスプレイ技術、ソフトのインタフェース設計など高度な技術の結晶です。しかし任天堂の場合、その技術自体よりも技術を使って何を遊ばせるかに真骨頂があります。ただ性能を追求するのではなく、「この技術でこんな遊びができる!」という明確なビジョンがあるのです。技術者からすると、最新技術をどうユーザー体験に繋げるかという創造力が問われるので、腕の見せ所でもあります。

また任天堂は、将来のエンターテインメント技術への投資も積極的です。公式に挙げている重点分野として「AI(人工知能)」「クラウド技術」「ネットワーク技術」などがあり、次世代の遊びに繋がる研究開発を続けています。例えばAIをゲーム開発に応用してより賢いNPC(ノンプレイヤーキャラクター)を作ったり、クラウドゲームやオンラインサービスの強化、新しいネットワーク体験などを模索しているようです。研究開発費は業績が落ち込む年でも削らないほど重視していて、常に未来への種まきを怠りません。理系学生にとっては、最先端技術をエンタメに応用するワクワク感を味わえるフィールドと言えます。自分の専門がAIならその知識を活かしてゲームAIを進化させる、ネットワークなら世界中の人が快適に遊べるインフラを作る、といった具合に、任天堂の中には様々な技術スペシャリストが活躍できる場があります。

さらに、任天堂の技術的独自性を語る上で欠かせないのが知的財産(IP)戦略です。技術そのものではありませんが、マリオやポケモンといった強力な自社IPを多数保有し、それらを守り育てるための特許や著作権の管理にも注力しています。ハード・ソフトの連携技術についても多くの特許を取得しており、簡単には他社が真似できない参入障壁を築いています。任天堂の競合差別化要因として、「ハード・ソフト一体型モデル」「豊富なIPポートフォリオ」「新しい遊びへのこだわり」「笑顔を大事にする哲学」などが挙げられます。他社がグラフィック性能やリアル路線で競う中、任天堂は遊びそのものの質で勝負するという戦略的選択をしているのです。

技術者視点で見ると、任天堂での問題解決は単にフレームレートを上げるとか処理性能を追求するだけではなく、「どうすればユーザーがもっと驚いて笑顔になれるか」を技術で実現することに他なりません。制約がある中でも新発想で乗り越えるクリエイティブなエンジニアリングが求められます。異なる分野のエキスパートが集まり、一緒になって前例のないものを作る 、クロスファンクショナルな協働が多いのも任天堂開発の特色です。一つのプロジェクトにハード・ソフト・デザイン・ネットワークなど様々な専門家が関与し、それぞれの知見を出し合って最高の形を探ります。従って、深い専門性プラス広い視野を持つエンジニアが重宝されます。逆に言えば、任天堂で働くことで自分の専門だけでなく他の技術分野についても学べる機会が多く、技術者として大きく成長できる環境とも言えます。

任天堂は独創的な技術アイデアを次々と製品化し、遊びの世界を広げてきました。ハードとソフトを融合させた開発体制、豊富なIP、そして未来志向の研究開発への投資によって、競合他社にはない強みを発揮しています。エンジニアにとっては、多彩な専門分野が交差する刺激的な現場であり、自分の技術で新たな「楽しさ」を生み出せるという、他に代えがたいやりがいがあるでしょう。
参照元:
任天堂 会社の沿革
任天堂 採用ページ
任天堂 2025年3月期 決算説明資料

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待遇・制度

任天堂 待遇・制度

任天堂は待遇(給与や各種手当)や福利厚生が充実していることでも知られています。就職するうえでやはり気になるポイントですよね。ここでは任天堂の給与水準や働きやすさにつながる制度を紹介します。

初任給

まず、初任給(新卒入社時の基本給)から見てみましょう。任天堂の初任給は修士了で月額26.7万円、学部卒で月額25.6万円となっています。この金額は日本企業の中では高い水準です。なお、高専卒や短大卒の初任給設定もありますが、理系職種の場合ほとんどが学部卒以上採用ですので上記が目安となります。初任給以外に、通勤手当(交通費全額支給)や時間外手当(残業代)はもちろん支給されますし、昇給は年1回、賞与(ボーナス)は年2回支給されます。ちなみに2025年3月時点の平均年間給与は約966万円というデータが開示されております。若手のうちはそこまで届きませんが、それでも数年経験を積めば同世代平均を大きく上回る給与が期待できるでしょう。金銭面で不安なく働けるのは大きな安心材料ですね。

諸手当

次に諸手当について。前述の通勤手当・時間外手当以外にも、任天堂では家族手当や役職手当など一般的な手当が用意されています(詳細な金額は非公開ですが標準的と考えられます)。任天堂は基本給自体が高めですが、それに加えて会社の成果を社員に還元する姿勢が見られます。

勤務時間

勤務時間は、フレックスタイム制でコアタイムが10:00~15:00、休憩1時間の基準となる1日の労働時間としては7時間45分です。一般的な労働時間に近い時間です。フレックスタイム制なので、例えば朝型の人は早めに来て早めに帰る、夜型の人はゆっくり来て夜集中する、といった柔軟な働き方が可能です。もちろんゲーム開発はチーム作業なのであまりバラバラにはできませんが、ライフスタイルに合わせて調整できるのは嬉しいですね。残業に関してはプロジェクト状況によりますが、制度上はみなし残業等はなく残業代は全額支給です。36協定の範囲内で適切に管理されており、過度な長時間労働を防ぐ仕組みがあるようです。

休日・休暇

休日・休暇は、完全週休2日制(土・日)+祝日が基本です。加えて夏季休暇(お盆時期に数日)と年末年始休暇がしっかりあり年間休日数としては125日(2025年度)あります。有給休暇も法定どおり初年度から付与され、以降毎年所定日数が付与されます。有給休暇取得率としては、86%(2025年3月)と高い水準です。特別休暇として、結婚休暇や忌引休暇など慶弔時の休みもあります。産前産後休業・育児休業制度は法定以上に整備されており、男性の育休取得実績も増えているようです。開発の追い込み時期は多少忙しくなりますが、それでも休日出勤は原則ないようで、ワークライフバランスを重視する社風が感じられますね。

福利厚生

福利厚生も非常に手厚いです。まず社会保険は完備(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災)。加えて任天堂の健康保険組合独自の保養施設や提携スポーツジムなどが利用できます。その他、定期健康診断や人間ドックの補助、メンタルヘルス相談窓口の設置など、健康管理制度も充実しています。
育児と仕事の両立を支援する制度も充実しています。例えば「育児座談会」では、育児中の社員同士が情報交換できる場を提供し、復職後の不安を軽減。フレックスタイム制度や在宅勤務制度も導入されており、育児や保育園送迎との両立もしやすくなっています。さらに、育休取得は男女ともに積極的に推進されており、社内での意識醸成も進められています。

全体として、任天堂の待遇・福利厚生は「業界最高水準」といって差し支えありません。初任給・平均給与の高さは経済的安心につながりますし、休暇制度や福利厚生の充実は安心して働ける環境づくりに寄与しています。理系就活生にとって、自分の頑張りがきちんと報われる(高給与)、かつ無理なく長く働ける(休み・制度充実)職場である点は大きな魅力でしょう。任天堂が優秀な人材を獲得し定着してもらうために多大な投資をしていることが、この待遇面からもうかがえますね。

任天堂は高水準の給与と行き届いた福利厚生によって、社員が安心して能力を発揮できる環境を整えています。ワークライフバランスにも配慮され、長期的に働きやすい会社です。経済的な安定と働きやすさの両方を重視したい理系の皆さんにとって、非常に魅力的な待遇と言えるでしょう。

参照元:
任天堂 募集要項
任天堂 社員データ
任天堂 働きがいのある職場づくり
任天堂 新卒採用 Q&A
任天堂 職場の安全衛生

キャリア形成

任天堂 キャリア形成

任天堂では社員のキャリア形成・成長支援にも力を入れています。入社後の研修制度から、その先のキャリアパス、昇進のしくみ、そして社員がどのくらい長く勤めているか(平均勤続年数)など、気になるポイントを見てみましょう。

研修制度

任天堂では、入社後の研修制度が充実しています。新入社員はまず約1週間の導入研修を受け、ビジネスマナーや会社のルール、そして任天堂の事業内容について学びます。その後も年間を通じたフォロー研修があり、各部署での実践的な教育はもちろん、必要に応じて外部セミナーを受講する機会も設けられており、社内外の学びを組み合わせながら着実にスキルアップできる環境が整っています。

キャリアパス

社員一人ひとりが長期的に成長できるよう、任天堂ではキャリアパス形成の支援にも力を入れています。入社後、一定期間ごとにこれまでの仕事を振り返り、自分の強みや課題を上司と話し合いながら今後のキャリアを考える機会が設けられており、会社と上司が協力して個々の能力開発を長期的にバックアップしてくれます。新入社員の初期配属は応募時に選んだ職種でスタートしますが、その後のキャリアでは個人の適性や成長に応じて他の職種にチャレンジできる可能性もあります。実際、技術職として専門スキルを磨いた後に企画職やマネジメント職へキャリアチェンジする社員もおり、自分の志向に合わせて柔軟にキャリアを描ける社風です。

社内ポータルサイトには「部署紹介」のページがあり、各部署の業務内容やそこで身につくスキル、さらにはキャリアパスの例が紹介されています。こうした情報を参考にしながら、自分なりの将来像を思い描きやすくなっているのも魅力です。任天堂でなら、専門性をとことん追求する道も、幅広い分野に挑戦する道も、自分のペースで選び取り、成長していくことができるでしょう。

昇進フロー

任天堂の昇進フローは、実力と貢献を重視した評価制度にもとづいて慎重に行われます。社員は上司との面談を通じて自身の取り組みを振り返り、今後伸ばすべきポイントのフィードバックを受けます。評価の観点や項目は社員にも開示されており、自分がどのような能力発揮を期待されているかを理解しながら日々の業務に取り組めます。昇進は年功序列ではなく、こうした評価で実績を積み重ねた結果として訪れるものです。

平均勤続年数

社員がじっくりキャリアを積んでいる証拠に、任天堂の平均勤続年数は非常に長くなっています。2025年3月末時点で平均勤続年数は約14.4年に達しており、多くの社員が長期にわたって働き続けていることがわかります。実際、直近の離職率も2%前後と低水準で、定着率の高さが際立っています。

なお社員の平均年齢も約40歳と比較的高く、若手からベテランまで幅広い年代が長く活躍していることが伺えます。こうした腰を据えて働ける環境が整っているため、技術系社員として入社した場合も、長期スパンで専門性を深めたりキャリアアップを図ったりすることが可能です。平均勤続年数の長さは働きやすさの裏付けとも言えるでしょう。任天堂でなら、自分のペースで着実に経験を積み重ね、安定したキャリアを築いていくことができそうです。

任天堂では、入社後の研修や教育体制が充実しております。
平均勤続年数の長さが示すように、多くの社員がこの会社で腰を据えて働き続けています。理系の皆さんにとって、自分の専門性を活かしつつ着実に成長できるフィールドとして、任天堂は理想的な職場の一つと言えるでしょう。

参照元:
任天堂 新卒採用情報Q&A
任天堂の人材に対する考え方
任天堂 新卒採用募集要項
任天堂 CSR情報

インターンシップ情報

任天堂 インターンシップ情報

任天堂では一般的なインターンシップではなく「イベント」と呼んで学生向けプログラムを実施しています。開発現場の紹介や体験を通じて任天堂のモノづくりを学べるのが特徴です。任天堂らしい「驚き」を生み出す開発の一端に触れられる貴重な機会として、学生に人気があります。

インターンシップ開催コース

任天堂では理系学生向けの技術系イベントを開催しています。ゲームソフト開発からハードウェア設計、ネットワークサービスまで幅広いコースが用意され、任天堂の開発現場を体感できます。実施されているイベント内容を紹介します。

ゲーム開発コース

任天堂のゲーム開発エンジニアが、ゲームプログラミングの基礎からモノづくりへのこだわり、開発に必要な専門知識などについて紹介します。普段見えないゲーム開発の舞台裏を知ることができ、後半にはエンジニアとの座談会で直接質問できます。

ハードウェア開発・システムソフトウェア系イベント

ハードウェア開発とシステムソフトウェア開発の2コースを合同で紹介する対面イベントです。前半の共通講義の後、希望するコースに分かれて専門領域を深掘りします。ハードウェアコースではNintendo Switch Liteの開発事例などからハード設計の裏側を知ることができ、システムコースでは開発環境やミドルウェアなどシステムソフト開発の幅広い仕事が紹介されます。

検証工程QAコース

任天堂のQAエンジニアが検証工程における役割を解説し、想定事例を用いたケーススタディでゲーム品質を守る仕事の奥深さを体験できます。最後にはエンジニアとの座談会で、QAの仕事内容や職場環境について直接質問できます。

ネットワークサービス開発コース

ネットワークサービス開発向けのオンラインセミナーでは、任天堂のネットワークサービス開発業務について基礎から幅広く学べます。フロントエンドやバックエンド、セキュリティ対策など8分野のエンジニア業務が紹介されます。オンライン開催なので、全国どこからでも参加可能な手軽さも魅力です。

任天堂のイベントは、ソフト・ハード・ネットワーク・QAなど多彩な技術分野に触れられる絶好の機会です。開発現場のリアルを体験し、エンジニアの仕事理解を深めたい理系学生にとって、業界研究にもキャリア形成にも役立つ貴重なプログラムです。特に座談会や職場見学は、ここでしか得られない“任天堂らしさ”を実感できるはずです。

開催スケジュール

2024年は、任天堂の技術系イベントが主に冬期に集中して開催されました。この年は秋以降にかけて複数の理工系向けプログラムが実施されています。

具体的には、「ハードウェア開発・システム開発」仕事紹介イベントが11月に開催され、京都会場で11月20日、東京会場で11月27日に実施されました。いずれも対面形式で、ハード設計やミドルウェア開発に関するリアルな業務内容が紹介されました。続いて12月には「ゲーム開発」仕事紹介イベントが行われ、東京は12月7日、京都は12月21日と、こちらも同一内容が都市別に提供されました。遠方の参加者には交通費が支給されるケースもあり、参加ハードルが低いのもポイントです。

さらに「検証工程QA」や「コーポレートIT」など、一部のイベントはオンライン形式で開催されました。例えばQAコースは12月12日、ITセミナーは12月17日に実施され、自宅からでも気軽に参加できる機会が設けられていました。2024年の開催実績を見ると、任天堂のイベントは秋〜冬にかけての対面+オンラインのハイブリッド形式で展開されていたことがわかります。エンジニア志望の理系学生にとって、仕事理解を深めるには絶好の時期だったと言えるでしょう。

任天堂は技術系学生向けに充実したインターンシップを開催しており、ゲーム開発やハード設計などコースも多彩です。募集時期は夏・冬が中心なので見逃さないようにしましょう。参加できれば任天堂の現場を直に体験でき、スキルアップにもなりますし、本選考でも有利になる可能性があります。任天堂志望ならインターン参加は大きな一歩と言えるでしょう。

参照元:
任天堂採用情報イベント
任天堂理工系仕事紹介 ゲーム開発
任天堂理工系仕事紹介 ハードウェアシステム開発

インターンシップのエントリー方法・選考フロー

では、任天堂のインターンに参加するには具体的にどう応募し、どんな選考を経る必要があるのでしょうか。ここではエントリー方法と選考フローについて解説します。

エントリー手順:

  1. 任天堂の新卒採用サイト上で「マイページ」に登録します(未登録の場合)。
  2. マイページから希望イベントにプレエントリーします。
  3. 指定されたエントリーシート等の応募フォームを提出し、エントリー完了です。

任天堂のイベントは採用選考の一環ではないため、基本的に面接や筆記試験などの選考フローはありません。ただし、応募者多数の場合は抽選で参加者を決定するコースがあり、一部の人気コースではエントリーシートによる書類選考で定員(例:各回20名程度)を絞るケースもあります。書類選考が行われるコースは開催日程が限定されている分競争率が高く、エントリーの際には志望動機や自己PRをしっかり練り込んでおくことが重要です。逆に定員に比較的余裕のあるオンラインセミナーなどでは先着順で受付を行い、定員に達し次第締め切られる形式となっています。

なお、各イベントごとに参加対象となる学生の条件が定められている点にも注意しましょう。多くの理工系コースでは「2026年3月末までに高専・大学・大学院を卒業見込みで、2026年4月入社可能な方」など卒業時期や学年の条件が設定されています。またコースによって「プログラミング経験」「電気・電子系の基礎知識」等の必要スキル・知識が事前に提示されており、応募時には自分が条件を満たしているか確認が必要です。逆に低学年でも参加可能なイベント(例えばネットワークサービス開発セミナーは1~2年生も応募可)も用意されているため、自身の学年や興味に合ったコースを選ぶことができます。なお、任天堂のイベントは各職種・コース間で併願も可能なので、興味のあるプログラムには積極的に複数エントリーしてみましょう。

公式には「任天堂の採用選考活動とは一切関係なく行うものです」と明言されていますが、応募時に提出するエントリー内容は運営側も目を通すため、自己PR欄などにはしっかり熱意を伝えておくことをおすすめします。特に書類選考のあるコースではエントリーシートが選考材料となりますし、選考のないイベントでも応募フォームでの記載内容が当日の担当者の参考になる可能性があります。

まとめると、任天堂インターンの選考フローは「エントリー(ES提出)→書類選考→結果連絡」というシンプルなものですが、そのES内容が合否を分ける重要ポイントです。くれぐれも締切に余裕を持って準備し、推敲した上で提出してください。任天堂への熱い思いと、自分の強み・スキルを存分にアピールできれば、狭き門もきっと突破できるはずです!

任天堂のインターンには公式サイトからエントリーします。エントリーシートのみで選考されることが多いので、志望理由や自己PRをしっかり書きましょう。「なぜ任天堂で学びたいか」「どんな情熱・スキルがあるか」を具体的に伝えることが合格へのカギです。

選考情報

任天堂 選考情報

ここからは、新卒採用の本選考(正社員採用)についての情報です。任天堂ではどんな職種で理系人材を募集しており、求められるスキル・専攻は何か、そして採用選考の流れを見ていきます。また任天堂が共通して求める人物像についても触れます。

採用職種と必要スキル、専攻

任天堂では理工系出身の新卒向けに、多彩な技術職種の採用枠があります。ソフトウェア系ではゲーム開発・システム開発・ネットワークサービス開発・コーポレートITなど、ハードウェア系では電気電子技術・機構技術・生産技術などが該当し、さらに技術系総合(技術プロジェクトの統括)や知的財産(特許・著作権管理)といった職種も含まれます。以下、それぞれの職種内容と求められるスキル・知識について簡単に見ていきましょう。

ゲーム開発

任天堂のゲーム機向けゲームソフトのプログラミング全般を担います。グラフィックス、物理演算、AI(キャラクターの挙動など)、サウンド、UI、通信などゲーム内外の幅広いプログラムを設計・実装します。ゲームエンジンなど汎用技術の開発も含み、企画を形にする試作段階から品質検証まで一貫して関わります。ゲームをより良くする探究心と、開発チーム内で他職種を技術面で支えるサービス精神が求められる仕事です。

システム開発

任天堂ハードウェアとゲームソフトの橋渡しとなる基盤システムを開発する仕事です。具体的にはゲーム機のOS、デバイスドライバ、SDK(開発ツール)や周辺機器ファームウェアなどの開発を担当します。求められるスキルとして、OSや3Dグラフィックス、通信、信号処理、セキュリティといった技術領域への強い興味と探求心、そして主にC++やC#を用いた高いプログラミング問題解決力が挙げられます。低レイヤからミドルウェアまで幅広く自社開発するため、物事の仕組みを深く理解する力が重要です。

ネットワークサービス開発

インターネットを通じてお客様向けの各種オンラインサービスやシステムの開発・運用を行う職種です。Go、Kotlin、Java、Ruby、JavaScriptなどの言語でWebアプリケーションを開発し、クラウド上のサーバー環境でサービス提供を行います。同時にゲーム機本体やゲーム内に組み込むシステムソフト・ライブラリをC++で開発するなど、オンラインサービスとゲームを繋ぐ役割も担います。フロントエンド・バックエンドからインフラ、セキュリティ対策まで分野も多岐にわたり、技術の進歩が早い領域のため最新トレンドを追い続ける姿勢が必須です。サービスを長期に安定提供するため、適切な技術選定と継続的な改善にも取り組めることが求められます。

コーポレートIT

社内向けのシステム開発やネットワーク・インフラ構築、セキュリティ運用などを担当します。例えば社内基幹システムや情報共有システムの開発(主にJavaによる内製開発やパッケージ/SaaS導入)や、社内ネットワーク・サーバーの設計構築、社員PC環境の整備サポートなど多様な業務領域があります。ビジネスをITで支える重要なポジションであり、システム全般への幅広い知識と技術力に加え、社内外の多くの人と協力して問題解決するコミュニケーション能力が求められます。

電気電子技術:

任天堂ハードの電子回路やデバイス設計・評価を行う職種です。基板設計からシステムLSI開発、センサーや無線技術まで幅広い電子技術を駆使し、製品の機能を形にします。新しい技術動向の調査や研究にも積極的で、世界中の最新技術をイベント参加などで収集し、魅力的なものはプロトタイプ作成を通じゲームへの応用検討も行います。必要な技術を身につけ常に最新にアップデートし続ける姿勢が重要であり、世界中のお客様の期待に応えるため主体的に取り組む責任感も求められます。

機構技術:

ハード製品の筐体や内部構造など機械設計全般を担う職種です。3D CADやCAEを用いて製品の形状・構造を設計し、試作品での検証を繰り返して完成度を高めます。筐体設計、ユーザビリティ設計、冷却機構、製品評価まで幅広く関与し、デザイナーや電子回路エンジニアとも連携しながら最適解を模索します。担当範囲が非常に広く責任重大なぶん、自身の手がけた設計が商品となり世界中のユーザーに使われるやりがいがあります。常に高い技術力と柔軟な発想力、そして情熱を持って粘り強く課題に向き合う姿勢が不可欠です。

生産技術: ハード製品を大量生産するためのプロセス開発や生産設備の技術開発、品質管理などを担当します。製品を安定かつ経済的に生産できる体制を構築し、国内外の協力工場と連携して量産化を推進する役割です。電気系・機械系をはじめ幅広い理工系の基礎知識を持ち、物事を論理的に考えつつ人と協力して課題に取り組むのが好きな人に向いています。任天堂は多様なパートナー企業と協業するため、自分の考えを正しく伝え相手の話をしっかり聞くコミュニケーション力が特に重要です。

上記以外にも、技術面でプロジェクトを横断的に支える技術系総合や、任天堂の独創的な技術・キャラクター等を守る知的財産部門といった職種があります。技術系総合では英語力や契約交渉スキルを活かし、開発チームと営業・管理部門を繋ぐ調整役として活躍するケースもあり、高い情報整理力と調整力が求められます。知的財産職では特許や著作権の専門知識は入社後に習得していくことになるため、自社製品の技術を理解しつつ積極的に成長を楽しめる姿勢がある人が適しています

以上のように、ソフト系からハード系まで網羅しています。任天堂というとゲームプログラマーのイメージが強いですが、実際にはハード開発やインフラ、データ分析など、理系の様々な専門分野の人材を求めています。そのため、専攻分野も情報系、電気電子系、機械系、数学系など多岐にわたります。要は、自分の専門性を活かせるフィールドが任天堂の中にきっとあるということです。

必要スキルは職種ごとに異なりますが、共通して言えるのは「基礎学力+モノづくり経験」です。大学で学んだ専門知識(例えばプログラミング言語や電子回路理論など)はもちろん重要ですが、それを実際に活用して何か作った・研究した経験が重視されます。ゲームプログラマー志望なら自作ゲームや参加開発したプロジェクト、ハードエンジニア志望ならロボコンや電子工作の経験などがあると強みに

なります。任天堂は学歴や学業成績だけで判断しないので、自分のアピール材料をしっかり準備しておきましょう。

任天堂新卒採用採用実績

  大学・大学院 高専・専門
技術
合計(人)
技術 事務
2021 80 22 3 105
2022 93 23 5 121
2023 95 27 8 130
2024 77 25 6 108
2025 82 24 7 113
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参照元:
任天堂新卒採用情報募集要項
任天堂新卒職種紹介理工系

エントリー方法・選考フロー

任天堂 エントリー方法・選考フロー

任天堂の新卒採用におけるエントリー方法と選考フローを見ていきましょう。憧れの任天堂に応募する際、どんなプロセスを踏むのか事前に把握しておくと安心です。
任天堂の新卒採用における選考は、シンプルでありながら丁寧に作られています。理系学生の皆さんが安心して準備できるよう、ここではエントリーから内々定までの流れを簡潔にご紹介します。

エントリー方法
まずは任天堂採用サイトのマイページにプレエントリーを行います。プレエントリー後、マイページ上で職種を選択し、エントリーシート(ES)を提出する流れです。職種は原則一つに絞る必要があり、ES提出後の変更はできません。

ESには、志望動機や研究内容、技術スキルに関する設問があります。技術職向けに「専攻分野」「技術的アピール」などを問う記述が含まれることもあるようです。理系ならではの専門性を活かし、自分の強みを伝えることがカギになります。デザイン・サウンド職など一部ではポートフォリオ提出が必須となる場合もあるので、職種ごとの案内を確認しましょう。

適性検査と面接
ES提出後はWebテストを受験します。公式には記載はありませんがSPIに近い形式の「玉手箱型テスト」が導入されており、言語・計数・英語に加え性格検査も含まれます。英語対策も事前に行っておくのが安心です。

その後は、複数回の個人面接があります。1次・最終の2回構成となることが多く、内容はエントリーシートの深掘り、研究内容の説明、チーム経験の振り返りなどが中心です。最終面接では、志望動機や企業理解に加えて、任天堂のカルチャーに合う人物かどうかが見られます

技術職ならではの特徴
ソフト系ではプログラミング試験(C/C++など)、ハード系では回路設計や専門知識テストなどが追加されることもあります。試験内容は職種に応じて異なりますが、基本的な技術スキルが問われる傾向です。

スケジュールの流れ
選考はエントリーから内定まで数ヶ月を要する長丁場です。エントリー受付は例年12月〜2月頃で、Webテスト→面接→最終面接を経て、5〜6月に内々定が出るケースが一般的です。募集は数回に分かれており、各締切に合わせた準備が重要になります。

そして最終面接までクリアすれば、内々定の連絡が来ます。任天堂は選考期間が長めで、エントリー開始から内定まで半年近くかかることも珍しくありません。気長に構えて、各フェーズでベストを尽くすことが大事です。

選考全体を通じて感じるのは、任天堂は多角的かつ丁寧に学生を見極めるということです。学力・技術力だけでなく、人柄や熱意も複数回の面接でしっかりチェックしますし、一部職種ではポートフォリオなどクリエイティブな成果物にも目を通します。裏を返せば、応募者側も様々な角度から自分をアピールできる場があるということです。書類、テスト、面接…それぞれで自分の強みを余すところなく伝えていきましょう。

任天堂の採用選考は、書類提出→適性検査→複数回の面接(+実技試験の場合あり)という流れです。時間をかけてじっくり評価される分、準備も綿密に行いましょう。履歴書やポートフォリオで実績を示し、テスト対策もし、面接では技術+人柄両面をアピールできれば道は開けます!

合格へのポイント

任天堂 合格へのポイント

最後に、任天堂の選考を突破するためのポイントについて、考えてみましょう(実際の採用プロセスは非公開部分も多いため、ここではあくまで考えられる対策という形です)。

1. 任天堂愛と志望動機を明確に伝える:
任天堂は企業理念として「娯楽を通じて人々を笑顔にする」を掲げています。そのため、単に「御社は技術力が高いから志望」では弱いです。「なぜ任天堂でなければダメなのか」を語れるようにしましょう。自分の人生経験と任天堂の紡ぐエンタメがどう重なっているのか、ぜひエピソードを交えて伝えてください。ただし「ゲームが好きです!」だけでは趣味の話になってしまうので、その情熱をどう仕事で活かすかまで言及できるとベターです。

2. 技術力+ユーザー視点をアピールする:
理系学生にとって技術スキルを磨くのは当然ですが、任天堂の場合はユーザー体験を考えられるエンジニアが評価されます。面接でも、「この技術を使ってどんな楽しいことができそう?」といった質問が飛ぶことがあるようです。例えば「GPUの並列処理に詳しいです」と言うだけでなく、「そのスキルでゲームの描画を滑らかにし、プレイヤーにストレスなく楽しんでもらえるようにしたいです」といったユーザーメリットまで踏み込んだ説明ができると印象的です。、自分の技術が人々の喜びにどう繋がるかを語れると、任天堂の「笑顔」理念とマッチし、共感を得やすいでしょう。

3. チームでの役割と協働経験を語る:
チームワーク重視の社風ですから、グループで何かを成し遂げた経験は絶対に話しましょう。研究室のプロジェクトやハッカソン、部活動のエンジニアチームなど何でも構いません。その中で自分がどう動き、チームに貢献したかを具体的に述べます。たとえば「研究チームでリーダーを務め、スケジュール管理とメンバーの役割分担を行って無事論文発表まで導いた」などです。任天堂は職種協業が日常茶飯事なので、異なる専門の人と協力する力があるかを見るでしょう。過去に多少の衝突や意見の違いがあったなら、それをどう調整したかも話せるとベストです。「自分の意見に固執せず柔軟に対応した」「相手のアイデアを尊重しつつ自分の案も改善した」など、協調性とコミュニケーション力をアピールしてください。

4. 自主的な挑戦・学習エピソードを示す:
任天堂は変化を楽しめる人を求めます。そこで自ら挑戦した経験や新しいスキルを習得した経験を盛り込みましょう。例えば、「独学で○○言語を習得し、こんなアプリを作りました」「学業と並行してオンライン講座で機械学習を勉強し、自分の研究に応用しました」など、受け身でなく能動的に学んだ話は好印象です。また失敗から学んだ話も有効です。任天堂の「任天堂らしい挑戦」文化に通じるものがありますよね。面接官もきっと頷いてくれるでしょう。5. 任天堂の最新情報にもアンテナを:
業界研究をしっかりしておきましょう。直近の任天堂の動向(新ハードの噂や新サービスの展開など)に目を通し、自分なりの意見を持っておくと深い会話ができます。また他社ゲームや技術について聞かれる可能性もあります。「好きなゲームは?それを任天堂で活かすなら?」なんて聞かれたらチャンスです。例え他社のゲームでも、そこから得たインサイトを任天堂でどう活かしたいか語れれば、「研究熱心で応用力がある」と映るでしょう。

まとめ

任天堂で働く未来へ

ここまで任天堂株式会社について、企業概要から選考対策まで幅広く見てきました。任天堂は抜群の財務安定性を持ちながら、ハードとソフトを融合した独自モデルで常にイノベーションを起こし続ける企業です。AIやクラウドなど未来技術にも果敢に投資し、新たなエンターテインメント創造に情熱を注いでいます。

その企業文化は「創造性」「独自性」「チームワーク」「成長意欲」といったキーワードで彩られ、すべては「人々を笑顔にする」という究極の目標に収斂しています。待遇面では高い給与と充実の福利厚生、働きやすい制度を備え、社員の長期的なキャリア形成とワークライフバランスを支援しています。採用プロセスでは、技術スキルのみならず企業文化への適性やエンタメへの情熱も重視されることが分かりました。

理系学生の皆さんが任天堂で未来を掴むためには、以下のポイントを意識してみてください。

「エンターテインメントエンジニア」としての視点を持つこと
自分の技術がどう人々の喜びやユニークな体験に直結するかを常に考え、ユーザー視点を忘れない姿勢が求められます。

実践的な能力を示すこと
学業成績だけでなく、ポートフォリオや自主プロジェクトなどを通じて、自分のスキルと創造性をアピールしましょう。問題解決力や主体性、適応力を具体例とともに伝えることが大切です。

「なぜ任天堂なのか」を明確にすること
単なる技術志向ではなく、任天堂のミッションや作品への共感、それに自分の情熱と技術がどう結びつくかを語れるように準備しましょう。

企業文化へのフィットを示すこと
好奇心、情熱、チームワーク、そして変化や新しい挑戦を受け入れる意欲…そうした任天堂が重視する価値観を、自身の経験エピソードと絡めてアピールしてください。

準備万端で臨むこと
技術的な知識はもちろん、面接では任天堂が求める人物像に自分が合致していることを具体的に証明するエピソードを用意しましょう。行動面接対策も怠らず、何を聞かれても自分の言葉で語れるよう練習することが成功の鍵です。

任天堂は技術と創造性を融合させ、世界中の人々に「笑顔」を届けることに情熱を注ぐ特別な企業です。理系の皆さんが持つ専門性と熱意は、きっとこのユニークな舞台で新たなエンターテインメントの未来を切り開く力になることでしょう。ぜひ自信を持って挑戦し、あなたならではの「任天堂らしい挑戦」を実現してください。応援しています!

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参考サイト
任天堂 会社の沿革
任天堂 会社概要
任天堂 2025年3月期 決算説明資料
任天堂 就業情報
任天堂 CSR情報 社長メッセージ
任天堂 株主・投資家向け 社長メッセージ
任天堂 会社の経営の基本方針
任天堂 会社の沿革
任天堂 採用ページ
任天堂 募集要項
任天堂 社員データ
任天堂 働きがいのある職場づくり
任天堂 新卒採用 Q&A
任天堂 職場の安全衛生
任天堂の人材に対する考え方
任天堂採用情報イベント
任天堂理工系仕事紹介 ゲーム開発
任天堂理工系仕事紹介 ハードウェアシステム開発
任天堂新卒職種紹介理工系