24卒の採用充足率は過去最低を記録~充足率が低い原因と対策を深掘り~

24卒の採用充足率が過去最低の理由と対策を解説

人材サービス大手のマイナビは、2023年11月に「2024年卒企業内定状況調査」の結果を発表しました。同調査によれば、24卒の採用充足率は75.8%となっており、16卒以降で過去最低の値だそうです。

みなさんの中にも、新卒採用が目標数に届かず苦戦している方が多いのではないでしょうか。少子化を考慮する傾向は今後も続くことが予想されるため、採用充足率を上げたいのならば、採用できない原因を突き止めて対策を講じる必要があります。

本記事では、24卒の調査結果をもとに、採用充足率が低い原因や対策について詳しく解説します。採用部門の人手が足りない場合の対処法も紹介しますので、ぜひご覧ください。

24卒の採用充足率

採用充足率の推移を表すグラフ

引用:「2024年卒企業新卒内定状況調査」を発表  株式会社マイナビ

上記は、マイナビが会員企業や新卒採用実績のある企業など約2,380社に、24卒の採用活動について調査した結果です。これによると、24卒の採用充足率は75.8%となり、現在の採用スケジュールになった16卒以降で初めて8割を下回りました

また、内定者満足度についても「質・量ともに満足」と回答した企業の割合が22.4%にとどまり、こちらも過去最低の数字となっています。

採用活動を終了する時期を記載したグラフ

同調査では、採用活動を終了する時期についても調査しています。これによると、秋以降も採用活動をする企業が多く、「11月以降に採用活動を終了予定」と答えた企業が55.5%にのぼりました。

政府の就活ルールで定められた内定解禁日が10月1日であることを踏まえると、9月まででは目標人数が充足できず、採用活動が長引いていることがうかがえます。

充足率向上のカギはインターンシップ

充足率のポイントとなるインターンシップについて解説

多くの企業が新卒の採用活動に苦戦する中で、充足率向上の施策としてインターンシップが注目を集めています。

インターンシップは以前から行われていましたが、実は25卒からその制度が大きく変わっています。具体的な変更点は、インターンシップが目的や内容によって4つのタイプに分類されたこと、一部のタイプでは採用直結型の実施が認められたことです。

ここからは、インターンシップと充足率の関係について詳しく見ていきましょう。

  • インターンシップを実施した企業の充足率は高い
  • インターンシップのタイプと共通の課題

インターンシップを実施した企業の充足率は高い

インターンシップを行う企業の採用充足率が高いことを解説

引用:「2024年卒企業新卒内定状況調査」を発表  株式会社マイナビ

上記は、インターンシップの実施の有無別に、採用充足率を比較したグラフです。インターンシップを実施した企業では充足率が76.8%であるのに対し、実施しなかった企業の充足率は62.5%となっており、13.3ポイントの差があることが分かります。

インターンシップを実施すると充足率が高くなる要因として、次のことが考えられます。

  • 早期に学生と接点を持てる
  • 自社の事業内容や仕事内容、社風を理解してもらえる
  • タイプ3・4のインターンシップなら、取得した学生の情報を選考に活かせる

採用充足率を向上させる方法にはいろいろありますが、インターンシップの効果は大きいことが明らかになりました。

インターンシップのタイプと共通の課題

インターンシップのタイプを解説

引用:「2024年卒企業新卒内定状況調査」を発表  株式会社マイナビ

こちらは、25卒を対象に実施するキャリア形成支援活動(いわゆるインターンシップ)のタイプを調査した結果です。タイプ1のオープンカンパニー(以前は1dayと呼ばれていたもの)が最多の63.4%という結果になりました。

ただ、インターンシップを実施した方が良いことは分かっているものの、なかなか手が回らないという方も多いのではないでしょうか。マイナビの調査でも「新卒採用部門のマンパワーが不足している」と回答した企業は70.5%にのぼりました

インターンシップに関する具体的な課題として、次のような声もあがっています。

  • 零細企業では人事と他の部署の仕事をかけもちしているため、負担が大きい
  • タイプ3と4のインターンシップは、人事や現場の受け入れ態勢を整えるのが困難
  • 5日間以上のインターンシップに大人数を受け入れる場合、大企業が圧倒的に有利だと思う

質の悪いインターンシップを実施してしまうと、かえって学生の志望度を下げることにもなりかねないため、難しい問題だと言えます。

採用充足率が低くなる原因

採用充足率が低くなる原因を解説

採用充足率が低くなってしまう原因は、採用活動の段階ごとにいくつか考えられます。

<募集>
まず考えられるのが「求める人材と採用手法が合っていない」という点です。例えば、自社の知名度が高くないのに、大手ナビサイトだけで集客しようとすると、有名企業の求人に埋もれてしまいます。

また、企業のアピールポイントとして事業内容や待遇、人間関係、福利厚生など、あれもこれもと詰め込んだ結果、どれも印象に残らないということも起きがちです。

<選考>
選考段階ではスピードが重要になります。面接の日程調整や結果連絡が遅いと、学生の熱はどんどん冷めてしまい、他社に流れやすくなります。

また、選考辞退の理由として意外に多いのが「採用担当者の印象が悪い」というものです。採用担当者は学生を評価する立場であると同時に、自分も学生から評価されていることを忘れないようにしましょう。

<内定後>
内定後に充足率が低下する原因としては、「他の内定先と比べて労働条件が悪い」「内定者フォローが不十分」などが考えられます。

労働条件をすぐに変えることは難しいかもしれませんが、内定者フォローで信頼関係を築いていれば、突然の内定辞退を防ぐことは可能です。

採用充足率を向上させるポイント

ここでは、採用充足率を向上させるポイントについて解説します。

  • 求める人材に合った採用手法を選ぶ
  • インターンシップを実施する
  • 採用部門のマンパワー不足の対策をする

求める人材に合った採用手法を選ぶ

最近は、ナビサイトに掲載して待つだけでは学生が集まらなくなっています。十分な母集団を形成するためには、スカウトサービスやSNS運用、新卒紹介サービスなどを導入することも有効です。

また、ツールを選ぶ際は、採用ターゲットも明確にしておかなければなりません。知識やスキルのレベルはもちろんのこと、価値観や志向性、性格なども具体的に設定しておくと、ミスマッチを防げます。

採用ツールには、理系学生向けやハイクラス向け、体育会系向けなど、ターゲット特化したものもたくさん登場しているので、しっかり情報収集して自社に合ったものを選びましょう。

インターンシップを実施する

採用充足率を向上させるためには、インターンシップを実施することも有効です。本記事で紹介したマイナビの調査結果でも、インターンシップの重要性は証明されています。

ただし、中途半端に実施してしまうと「面白くない仕事だ」「計画性がない会社だ」などの悪い印象を与えることになりかねません。インターンシップを実施する際は、自社を知ってもらうためなのか、それとも志望度を上げるためなのかなど、目的を明確にして、企画をしっかり作り込むことが大切です。

インターンシップ終了後には、フィードバックや、選考につなげる取り組みも忘れないようにしましょう。

学生目線でみるインターンシップについて、さらに知りたい方はこちら

採用部門のマンパワー不足の対策をする

多くの企業で、採用部門のマンパワーが不足しています。新卒の採用数を増やすために、やるべきことは分かっているものの、手が回らないという声をよく聞きます。

ただ、採用部門の業務は知識や経験が必要なものも多く、入社したばかりの人や、他部署から応援に来た人には難しいのが特徴です。すぐに人手を増やせないのであれば、ツールを導入したり、業務を外注したりして、根本的な仕組みから変えていかなければなりません

具体的には、採用管理システムを導入する、採用代行を利用する、SNS運用を外注するなどの方法があります。「選択と集中」を意識して、業務を見直してみましょう。

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マイナビの調査では、24卒の採用充足率は75.8%と厳しい状況が明らかになりました。限られたマンパワーで採用充足率を向上させるためには、自社に合った採用ツールを選び、業務を効率化することが大切です。

理系学生の採用をお考えの方には、スカウトサービスの『TECH OFFER』がおすすめです。40,000件の大学研究室、1,000,000件の技術キーワードをもとにした強固なデータベースを活用して、ターゲットとなる理系学生に直接オファーが送れます。さらに、検索キーワードを設定すればオファー送信は半自動化できるため、採用部門の人手が不足している企業にもぴったりです。

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