大学訪問・研究室訪問の方法とは?理系新卒の採用につなげるポイントも解説

新卒採用における大学訪問・研究室訪問について解説

近年、少子化の影響で新卒の獲得競争は激化しています。 特に理系人材を求める企業は多く、ナビサイトに求人を掲載して待つだけでは、目標の人数を採用できないのが現状です。

そんな中、自社が求める人材にアプローチする方法としておすすめなのが大学訪問です。 大学や研究室と関係性を構築できれば、求める属性の学生を、毎年安定して紹介してもらえる可能性があります。

本記事では、大学訪問のメリットや手順、成功させるポイントについて詳しく解説します。理系学生の母集団形成でお悩みの方は、ぜひご覧ください。

大学訪問・研究室訪問とは

大学訪問・研究室訪問とは何かを解説

大学訪問・研究室訪問とは、新卒採用を実施している企業が、特定の大学や研究室を訪問して、自社の会社概要や求人を説明することを言います。大学訪問をすることで、企業側が求める層の学生にピンポイントでアプローチできるのがメリットです。

最近は少子化の影響で、求人広告を出して応募が来るのを待つだけでは、計画通りの人数を採用できなくなってきています。そのため、求人広告のような「待ち」の採用活動だけでなく、積極的に人材を獲得しにいく「攻め」の採用活動を取り入れる企業が増えています。

大学訪問の窓口

大学訪問には、大きく分けて次の3つの窓口があります。

  • キャリアセンター(就職課)
  • 研究室
  • 就職担当教員

大学や研究室とのコネクションが無い場合、まずアプローチしたいのがキャリアセンター(就職課)です。ほとんどの場合、大学のホームページに問い合わせ先が掲載されているので、調べてみてください。

また、自社にOB・OGが在籍していたり、研究協力で接点があったりする場合には、研究室や教授に直接アプローチすることも有効です。自社の状況に応じて、大学側に対して失礼のないように依頼しましょう。

大学訪問をする5つのメリット

大学訪問をする5つのメリットを解説

大学訪問をすると、次のようなメリットがあります。

  • 広報活動に協力してもらえることがある
  • 学生の最新動向を把握できる
  • 学内セミナーに参加できることがある
  • 学生からアプローチが来ることがある
  • 採用コストを抑えられる

それぞれ詳しく解説します。

広報活動に協力してもらえることがある

大学訪問を実施すると、広報活動に協力してもらえるのがメリットです。例えば、説明会やインターンシップの情報、求人票などを学生に周知してもらえます。

また、大学のキャリアアドバイザーが自社の求人を認知していれば、相談に来た学生に対して「こんな企業があるから、受けてみたらどうか」と薦めてくれることもあります。

学生の最新動向を把握できる

大学訪問では、学生の最新動向を把握できるのもメリットです。教授やキャリアセンターの職員は普段から学生と接しているため、リアルな情報を持っています。

学生の悩みや志向、活動状況などを聞き出して、自社の採用活動に活かすことで、よりスムーズな母集団形成が可能になります

学内セミナーに参加できることがある

大学との関係性が構築できると、学内セミナーに参加しやすくなるのもメリットです。大学が主催する学内セミナーは、その大学の就活生が大勢参加するため、企業にとってはアピールする絶好のチャンスになります。

一方で参加できる企業数は限られており、人気のある大学では優良企業や毎年出展している企業だけで埋まってしまうことも多いです。そのため、あらかじめ大学やキャリアセンターとの接点を持っておくことで、イベントに参加できる可能性が高まります。

学生からアプローチが来ることがある

大学訪問で自社の求人票やパンフレットを設置しておくと、興味を持った学生からアプローチが来ることがあります。特に研究室のOB・OGの採用実績があると、学生側も親近感を持ち、安心して応募しやすくなります。

採用コストを抑えられる

採用コストを抑えられることも、大学訪問のメリットです。一般的に、ナビサイトの広告掲載やイベント出展、人材紹介などを利用すると、数十万〜百万円単位のコストがかかります。

一方で、大学訪問にかかるコストは、せいぜい担当者の交通費や宿泊費、パンフレット代程度です。ただし、大学訪問は広告やイベント出展のように「一度出したら終わり」というものではないので、担当者が長期的に関係を維持するコストはかかります。

大学訪問の手順

大学訪問の手順を解説

ここからは、大学訪問をする際の具体的な手順について解説します。

  • 大学を選定する
  • アポイントを取る
  • 訪問する
  • アフターフォローをする

大学側も忙しい合間をぬって対応してくれるので、失礼のないように注意しましょう。

大学を選定する

はじめに、訪問する大学を選定します。大学の選び方は、大きく分けて次の2つです。

  • 求める人物像を明確にし、条件を満たす大学を探す
  • いま活躍している社員や内定者の出身校、過去の採用実績から探す

ここで重要なのは、数を打つことではなく、長期的に大学との関係を構築することです。そのため、何十校もリストアップしたところで、学校の特色も分からず一度しか訪問できないのでは意味がありません。

まずは自分が確実にフォローできる数社に絞ってアプローチするのがおすすめです。

アポイントを取る

大学を選定したら、窓口に問い合わせて訪問のアポイントを取ります。最初は電話やメールで連絡しましょう。以下は、メールで連絡する際の例文です。

件名:キャリアセンターご訪問のお願い【株式会社〇〇 採用担当】
本文:

〇〇大学 キャリアセンターご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。
株式会社〇〇で採用担当をしております〇〇と申します。

この度、貴学の学生様に弊社の求人をご案内させていただきたく、ご連絡差し上げました。
よろしければ、キャリアセンターのご担当者様に一度ご挨拶に伺わせていただけないでしょうか。

弊社には貴学出身の社員が〇名おり、組織の中心となって活躍してくれています。つきましては、今年もぜひ貴学から学生様を採用したいと考えております。

まずは弊社のご案内や就職活動に関する情報交換をさせていただけますと幸いです。下記日程のいずれかで、30分程度お時間をいただければと思うのですが、ご都合いかがでしょうか。

【訪問希望日時】

〇月〇日(水) 〇時~〇時
〇月〇日(木) 〇時~〇時
〇月〇日(金) 〇時~〇時

上記以外での調整も可能です。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

株式会社〇〇
採用担当〇〇
電話:090‐××××‐××××
E-mail:××××@××××.co.jp

訪問する

アポイントが取れたら、実際に大学を訪問します。大学は、離れた場所に複数のキャンパスがあるところも多いので、思い込みで訪問先を間違えないように注意しましょう。

訪問の際は、名刺やパンフレット、求人票、もしあればノベルティなどを持参します。手土産は原則必要ありません。

アフターフォローをする

大学を訪問した後は、すぐにお礼のメールを送ります。その際、疑問や質問が無いかを確認しつつ、次につながる話題を盛り込むことが有効です。例えば「夏季インターンシップの開催を予定しているので、また〇月頃をめどにご案内させていただきます。」などです。

一度訪問しただけで自社のことを理解してもらうことは難しいため、定期的にコンタクトをとり、時間をかけて関係を構築しましょう。

大学訪問をする際のポイント

大学訪問をする際のポイントを解説

大学訪問を成功させ新卒採用につなげるためには、以下の点を意識することが大切です。

  • 訪問の目的を明確にして、入念に準備する
  • 同じ採用担当者が訪問する
  • 大学側のメリットを提示する

それぞれ詳しく見てみましょう。

訪問の目的を明確にして、入念に準備する

一度の訪問でかけられる時間は、20〜30分程度が相場です。ダラダラと自社のパンフレットや募集要項を読み上げていると、あっという間に時間が足りなくなってしまいます。そのため、今回の訪問で一番伝えたいこと・聞きたいことは何かを明確にして、最も効果的に伝わる(聞ける)方法を考えておかなければなりません

このとき、学生数や学部の特徴など、ネットで調べればすぐに分かるようなことを聞くのはNGです。「この学校の学生を紹介してもらいたい」という熱意が伝わるよう、しっかり下調べをしておきましょう。

同じ採用担当者が訪問する

大学訪問は、なるべく同じ採用担当者が訪問して、顔を覚えてもらうようにしましょう。キャリアセンターの担当者や教授は多くの企業に対応しているため、毎回違う人が訪ねてくると企業の印象が残りにくくなってしまうためです。

また、その大学出身の社員がいる場合は、協力を得て同行してもらうことも有効です。卒業生の活躍を伝えることで説得力が増し、大学側も喜んでくれるので、距離を縮めやすくなります。

大学側のメリットを提示する

大学訪問は営業活動とも言えるため、相手が得られるメリットを提示することも大切です。以下は、大学側が企業との関係性を深めるメリットの一例です。

  • 寄付金や寄付講座の提供を受けられる
  • 共同研究が行える
  • インターンシップや会社見学を受け入れてもらえる
  • 選考情報を教えてもらえる

一方的に「学生を紹介してください」と頼むだけでなく、「大学にとっても良いことがありますよ」と伝えることで、より親身な協力を得られることが期待できます。

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大学訪問は、求める層の学生にアプローチするための有効な手段です。大学と良好な関係を構築できれば、毎年安定して学内セミナーに参加したり、学生を紹介してもらったりすることが可能になります。即効性は低いですが、根気強く取り組むことで採用につながります。

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